2022年おすすめ新譜アルバムVol. 32: Lucky Daye「Candydrip」
新譜アルバム紹介Vol. 32です。
今回紹介するのは、ルイジアナのシンガーのLucky Dayeがリリースした「Candydrip」です。
Lucky Dayeはルイジアナ出身のシンガーです。
2000年代半ば頃に登場。ソングライターとして活躍した後、2010年代後半頃からシンガーとしての活動を本格化させていきます。2018年にはEP「I」をリリース。2019年にはEP「II」を挟み、初のアルバム「Painted」をリリースします。その後は2021年にEP「Table for Two」をリリースしているほか、KehlaniやIDKなどの作品に参加。精力的に活動しています。
スウィートでソウルフルな歌声が魅力のR&Bシンガーです。ラップっぽい歌い方も時々取り入れます。サウンドにもヒップホップ的な要素はありますが、古くからずっと続くメロウなR&Bやファンクを継承するような要素が強いです。
今作はトラップ系のドラムなど現代的なセンスもありますが、あくまでもメロウ&ファンキーなR&Bとして作られた作品です。R&Bファンの方は是非。
D'Mileプロデュース。
生演奏を巧みに用いたグルーヴィなサウンドですが、同じくD'Mile絡みのSilk Sonicのようなレトロ風味というより現代的なセンスが光っています。最後の方で少しラップするSminoの控えめな使い方が絶妙。
3. Feels Like
再びD'Mile制作のファンク路線。
生っぽい質感のベースやドラムが効いた軽快なサウンドで、Michael Jacksonを思わせるファルセットで歌い上げた良曲です。ラップも披露。
トラップ系のドラムを使ったヒップホップ色強めの曲。
ドラム以外はそれまでの流れと同じR&B系の音使いで、浮いた印象もなく自然に入ってきます。Lucky Dayeもラップっぽい歌い方を聴かせるほか、Lil Durkも歌心のあるフロウで好演。
5. Guess
Usher「U Don't Have to Call」ネタの浮遊感のあるメロウ。
ふうわりとしたウワモノや軽めの808が印象的なビートで歌う、DrakeやBryson Tillerがやりそうな曲です。Lucky Dayeの誠実な歌との相性もばっちり。
10. Over
Musiq Soulchild「Halfcrazy」をサンプリングした曲。
切ないギターや歌声、圧の強い808を用いた現行メインストリーム的な鳴りの曲です。Lucky Dayeの情熱的な歌はこういった曲でも見事に映えています。
11. Fuckin’ Sound
徐々に盛り上がっていくゴスペルっぽい匂いのする曲。
暖かいギターとラップっぽい歯切れの良い歌で静かに始まり、そこから生演奏と思しきピアノやコーラスが入ってきて熱くさせられます。ピアノの早弾きと歌の絡みに悶絶必至。
14. Used To Be
M-Phazesプロデュース。
優しいギターや骨太なドラム、美しいストリングスが効いたストレートなソウルです。フックでのファルセットを使ったねっとりとした歌は、ソウル好きの方にはたまらないと思います。
15. Fever
ダークなシンセや手数の多い808を使ったトラップソウル系の曲。
全体的な音像はモダンですが、そんな中にもやはり暖かいソウルフレイバーが入ったような曲です。後半のギターソロから生演奏っぽさが増す展開もお気に入り。
16. Cherry Forest
バックヴォーカルでAlex Isleyも参加。
生音と思しきギターやベース、ドラムが印象的な躍動感のあるソウルです。プロデュースはD'Mileで、Silk Sonic好きの方にもおすすめ。
17. Ego
美しさが際立つ涼しげで程良くリラックスしたソウル。
繊細なギターや軽めの生っぽいドラムを用いたサウンドで、ラップっぽい歌い方も取り入れつつソウルフルに歌う曲です。ストリングスが入ってくる後半の展開が極上。
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