2023年おすすめ新譜アルバムVol. 82: MIKE DEAN「4:23」
新譜アルバム紹介Vol. 82です。
今回紹介するのは、テキサスのプロデューサーのMIKE DEANがリリースした「4:23」です。
MIKE DEANはテキサス出身のプロデューサーです。
1980年代に登場。初期はラップグループのDef Squadのメンバーとしての活動のほか、UGKやScarfaceなどの作品にプロデューサーやミュージシャンとして参加していきます。2000年代半ば頃からKanye West周辺作品に関わるようになり、2010年代にはTravis ScottやFrank Oceanなどの作品にも参加。2017年には自身のレーベルのM.W.A.を設立し、2020年には初のソロアルバム「4:20」をリリースします。以降も自身の作品を数枚リリースしているほか、FKA TwigsやThe Weekndなどの作品に参加。昨年にはPigeons & Planesのコンピレーション「Pigeons & Planes presents: See You Next Year」でエグゼクティブプロデューサーも務めていました。
初期はギターやキーボードなどの生演奏を活かしたカントリーラップ系の作風でしたが、近年はTravis Scott作品に代表されるような重厚なシンセを活かしたスペイシーで壮大なサウンドを中心に聴かせます。ソロ作ではヒップホップからも離れた、シンセの洪水のような音楽性を披露しています。
今作はThe Weekndが共同エグゼクティブプロデューサーを務めた作品です。そのシンセ捌きを活かしたアンビエントやエクスペリメンタル寄りのスタイルが中心ですが、The Weekndの歌声も随所で取り入れて程良くポップな要素も注入した快作に仕上がっています。
The Weekndが歌う曲。
トラップマナーのダーティな808を使いつつも、それは音色だけで基本は非ヒップホップ的なエクスペリメンタル路線です。The Weekndの歌も入りますがフックもなくポップすぎないバランス。
3. Defame Moi
引き続きThe Weekndが登場。
The Weekndはプロデューサーとしてもクレジットされています。シンセポップ系のスペイシーな佳曲。
Futureタイプビートではない未来的な曲。
骨太なドラムのループに重厚なシンセを絡めたインストヒップホップです。MIKE DEAN印の音作りが堪能できます。
6. Rewind Life
サックスが主導する(ほぼ)インストの曲。
タイトル通りの逆再生のループが目立つドラムレスの曲です。シンセは鳴っていませんが、MIKE DEANらしさのようなものはそれでもしっかりと感じられます。
シンセのみで聴かせる壮大な曲。
ドラムもなく、リズムよりも音色に浸るようなアンビエント的にも聴ける曲です。しかし音色は紛れもなくMIKE DEAN印で強烈な磁力を放っています。
10. 118k
脈打つようなシンセが効いた曲。
この曲もドラムレスですが、リズムをはっきりと刻んでおりループ感もあります。右から聞こえてくるノイズも印象的。
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