2023年おすすめ新譜アルバムVol. 8: Criminal Manne「Neighborhood Dope Mane」
新譜アルバム紹介Vol. 8です。
今回紹介するのは、メンフィスのラッパーのCriminal Manneがリリースした「Neighborhood Dope Mane」です。
Criminal Manneはメンフィス出身のラッパーです。
1990年代前半に登場。ストリートアルバム「It's The Criminal Manne」やラップグループのProject Playazでの作品のリリース、客演などで1990年代は活動します。2002年には1stアルバム「Playtime's Over」をリリース。以降も精力的にアルバムやミックステープを発表し、近年でもDJ Squeekyとタッグを組んだ2021年の「Big Dawg」などをリリースしています。
高めの太い声質でイナタくハキハキとしたフロウを聴かせるラッパーです。サウンド的にはトラップ系が中心で、メンフィスのベテランですが初期からダークなものだけではなく勇壮な路線なども取り入れてきました。
今作は2003年作「Neighborhood Dope Manne」とタイトルが酷似していますが別の作品です。Paper Route EmpireやCMG The Labelに代表される、現行メンフィスヒップホップの旨味が詰まったトラップの良作に仕上がっています。
ストリングスや手数の多い808が目立つトラップ。
隙間のあるループや随所で入る不気味なピアノなど、どこか2000年代のメンフィスっぽさのある曲です。Project Patあたりに通じるイナタいラップもばっちり。
3. Dope Boy
冷たいピアノループが効いたダークな曲。
メンフィスマナーではありますが、ちょっとZaytovenっぽい良さのあるビートです。タイトルを何回も繰り返すフックが印象的。
こちらも連呼フックがキャッチーな曲。
不穏なコーラスに地を這うようなベース、手数の多い808を使ったハードなトラップ路線です。メンフィスレジェンドの三連フロウは流石の貫禄。
7. Luv Her
メロディアスなフロウに挑んだ哀愁路線。
美しいピアノやストリングスが光る、メンフィス印の優しいトラップです。オヤGの方にもたまらないと思います。
8. Big Crim
パワフルなラップを聴かせるMタウンクランク。
ミニマルなシンセやボコボコした低音が印象的なバンガーです。タイトルを無骨に連呼するフックが強力。
10. Same Way (feat. OG Boo Dirty)
今作のハイライトの一つ。
ブルージーなギターに手数の多い808を合わせた、哀愁漂うトラップ系の曲です。OG Boo Dirtyの渋みのあるラップも好相性。
16. Juice Me up (feat. Gorilla Zoe)
ダークで攻撃的なトラップ路線。
低音の圧は現代的ですが、朧げなシンセの使い方などウワモノは1990年代メンフィスっぽい響きです。Gorilla Zoeのパワフルなフックもばっちり。
18. Scatpack (feat. Big Homiie G)
メンフィスマナーの不穏なトラップ。
淡々とした不気味さを見せるCriminal Manneと、迫力のある低音のBig Homiie Gが絡む好曲です。ふうわりとしたシンセやヘヴィなピアノが効いたビートも強力。
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