2022年おすすめ新譜アルバムVol. 89: YoungBoy Never Broke Again「3800 Degrees」
新譜アルバム紹介Vol. 89です。
今回紹介するのは、ルイジアナのラッパーのYoungBoy Never Broke Againがリリースしたミックステープ「3800 Degrees」です。
YoungBoy Never Broke Againはルイジアナ出身のラッパーです。NBA YoungBoyと表記されることもあります。
2010年代半ば頃に登場。2015年には初のミックステープ「Life Before Fame」を発表し、その後も2016年の「38 Baby」など膨大な数のミックステープをリリースしていきます。2018年には1stアルバム「Until Death Call My Name」をリリース。以降も2020年のRich The Kidとのタッグ作「Nobody Safe」なども挟みつつ、20枚以上の作品をリリースしています。今年に入ってからも今作含めて5枚の作品をリリースしている、現行シーン屈指の多作なアーティストの一人です。
エモーショナルに歌い上げるようなフロウやオフビート気味の詰め込みフロウなどを使う、スキルフルかつイナタいラップスタイルの持ち主です。サウンド的にはピアノやギターの音を使った哀愁漂うトラップが中心ですが、ルイジアナマナーのバウンスなども取り入れています。
今作はタイトルとアートワーク通り、サウンドもラップもかなりルイジアナ色を強く打ち出した作品です。G好きの方は是非。
No Limit作品に入っていそうな鬼渋ファンキー路線。
沈み込むようなベースやトロトロのギターを使ったビートで、力強いラップを聴かせる好曲です。フックでの歌フロウには現代の空気も。
シンプルなピアノにアグレッシヴな808を絡めた曲。
ビート的にはトラップとしても聴けるようなものですが、ラップの乗せ方は完全にルイジアナマナーです。フガフガしたフックがキャッチー。
Master Pが出てきそうなシリアスな曲。
チープなピアノループに跳ねるような808を合わせたビートに、オフビート気味の鬼気迫るラップが乗る良曲です。フックでの抑え気味の三連フロウもばっちり。
6. It Could Go
南部Gマナーの哀愁漂うメロウ路線。
手数の多い808やブルージーなギターを使ったビートで、ラップと歌を自在に泳ぐYoungBoy Never Broke Againのスタイルが光る佳曲です。声色の使い分けも見事。
7. Ampd Up Feat. Mouse On Tha Track
Mouse On Tha Trackはラップのみでの参加。
1990年代のCash Money作品に入っていそうな、コテコテのバウンシーな曲です。二人のイナタいラップの絡みに好き者の方はニヤリとするはず。
9. No Alarm
例の高音シンセをループした哀愁メロウ。
Jazze Phaあたりの作風を思わせるディープな南部マナーの曲です。YoungBoy Never Broke Againはオフビート気味のフロウも交えつつ、フックではメロディアスに攻めるアプローチを披露。
12. Thug Nigga Story Feat. E-40
今作のハイライトの一つ。
例の高音シンセや動くベースが効いた、Gセンス溢れるシリアスな曲です。E-40のトリッキーなラップとも抜群の相性。
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