2024年おすすめ新譜アルバムVol. 70: A Boogie Wit da Hoodie「Better Off Alone」
新譜アルバム紹介Vol. 70です。
今回紹介するのは、NYのラッパーのA Boogie Wit da Hoodieがリリースした「Better Off Alone」です。
A Boogie Wit da HoodieはNY出身のラッパーです。
2010年代半ば頃に登場。2016年には初のミックステープ「Artist」を発表します。その後Don Qとのタッグ作「Highbridge The Label: The Takeover Vol. 1」を挟み、2017年には1stアルバム「The Bigger Artist」をリリース。以降も2018年の「Hoodie SZN」や2020年の「Artist 2.0」など、多くの作品を発表しています。また、客演でもPnB RockやPop Smokeなどの作品に参加。Metro Boominが手掛けた映画「Spider-Man: Across the Spider-Verse」のサウンドトラックにも参加していました。
メロディアスで切れ味鋭いフロウを持つラッパーで、南部ヒップホップからの影響を感じさせつつもイナタさのない洗練されたスタイルの持ち主です。サウンド的にはトラップを中心にしつつ、NYドリルなども取り入れます。R&B的なメロウな路線に強いです。
今作はエモーショナルな路線を中心に据えたサウンドで、その歌心溢れるラップが冴え渡る快作に仕上がっています。かなり南部的なようでNYらしいクールネスが魅力です。
女声ヴォーカルが印象的な曲。
冷たいピアノをループしたトラップビートで、歌とラップの中間よりもラップに寄ったアプローチを聴かせる好曲です。後半での美しいストリングスも見事。
3. Let’s Go Away (feat. Young Thug)
初期The Weeknd作品で知られるDoc McKinleyが関わった曲。
柔らかなギターやドラムを使ったビートは、ちょっと2000年代NYヒップホップっぽさもあります。Young Thugの歌心のあるフックとも好相性。
セクシードリル系のメロウな曲。
歌声もサンプリングした穏やかなビートで、Cash Cobainと共に歌うようなラップを聴かせる良曲です。今作のハイライトの一つ。
エモーショナルなトラップ。
オルガンや歌声のサンプリングが光るビートに、メロディアスなラップで絡む佳曲です。Futureが歌うフックを最後にA Boogie Wit da Hoodieも歌う構成にはG-Unitっぽさもあります。
London on da Trackらがプロデュース。
ギターをループしたエモーショナルなビートで、歌心のあるラップが乗る優しい曲です。近いスタイルの二人ならではのコンビネーション。
10. One Shot
Eminemの名曲「Lose Yourself」をサンプリング。
ギターのフレーズとEminemの声ネタをエモーショナルに使い、メロディアスなトラップに仕上げた曲です。意外なほど馴染んでいます。
12. Feel Like Dying
浮遊感のあるR&B風味の曲。
トラップ系の手数多めなドラムと分厚いシンセベースが印象的なビートで、歌フロウを聴かせる好曲です。アウトロはLil Wayneオマージュ。
13. P&E (feat. Mariah the Scientist)
シンガーにフックではなくヴァースを投げるR&Bラップ。
涼しげなギターをループしたトラップビートに、歌うようなラップとラップするような歌が乗る良曲です。声ネタにNYらしさもあり。
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