おすすめ旧譜アルバムVol. 79: B.G.「Chopper City in the Ghetto」
旧譜紹介Vol. 79です。
今回紹介するのは、ルイジアナのラッパーのB.G.による1999年のアルバム「Chopper City in the Ghetto」です。
B.G.はルイジアナ出身のラッパーです。
1990年代半ば頃に登場。1995年にはLil WayneとのデュオのB.G.'zでのアルバム「True Story」をリリースします。1996年には1stソロアルバム「Chopper City」をリリース。以降も1997年の「It's All on U, Vol. 1」や1999年の本作などのソロ作品のほか、ラップグループのHot Boysでのアルバムなど1990年代に多くの作品をリリースしていきます。2000年代に入ってからも、2003年作「Livin' Legend」やラップグループのChopper City Boyzとのアルバムなどをリリース。逮捕・服役のため2010年代はあまりソロ作を残していませんが、来年に出所が予定されています。
ヌメリのある声質でルーズなフロウを聴かせる、癖の強いラッパーです。1990年代はバウンスやメロウ、ファンクといったルイジアナGらしい路線が中心でしたが、2000年代にはアトランタやフロリダっぽいトラップにも乗っています。
本作は全曲をMannie Freshが制作した、黄金タッグが堪能できる作品です。バウンスや生演奏を入れたファンキー路線などのサウンドで、B.G.のラップが映えた快作に仕上がっています。
2. Trigga Play
ブラス系のシンセをパーカッシヴに鳴らしたバウンス。
ブヨブヨのベースが効いたビートは、現行ミシガン勢のスタイルにも通じるものがあります。B.G.のロウテンションなラップもばっちり。
3. Cash Money is An Army
痺れるようなシンセを使ったハードな曲。
手数の多いハイハットはトラップにも繋がるものです。抑え気味の念仏っぽいフックも強烈。
4. Play'n it Raw (feat. Hot Boys)
クールな鍵盤をミニマルに用いた曲。
ドラムも手数少なめのタイトなもので、Mannie Fresh流のブーンバップのような味わいがあります。Hot Boysのラップは流石のアクの強さ。
5. With Tha B.G. (feat. Big Tymers)
Big K.R.I.T.あたりがやりそうな哀愁メロウ。
高速ハイハットにブヨブヨのベース、生演奏と思しきギターやキーボードがたまらない佳曲です。社長とMannie Freshのラップも良い味を出しています。
6. Made Man (feat. Big Tymers)
再び哀愁路線。
この曲はギターやキーボードの動きがとにかく凄まじく、ラップとのスリリングな絡みには悶絶必至です。インストでも成立しそうなほどのビートですが、癖の強いラップで完璧にねじ伏せています。
7. Bling Bling (feat. Big Tymers & Hot Boys)
輝きを表現したようなツルツルしたシンセが印象的な曲。
まだ幼い声ながら既にかなりのフロウ巧者ぶりで魅せるLil Wayneを筆頭に、アクの強いラッパーが次々と登場する佳曲です。ハウスやテクノっぽさもあるビートも強力。
11. Cash Money Roll
E.S.G.あたりがやりそうな哀愁メロウ。
高速ハイハットにファンキーなギターやキーボードを絡めた、生演奏と思しきグルーヴが活きた曲です。本作のハイライトの一つ。
ここから先は
¥ 100
購入、サポート、シェア、フォロー、G好きなのでI Want It Allです