2024年おすすめ新譜アルバムVol. 68: How To Dress Well「I Am Toward You」
新譜アルバム紹介Vol. 68です。
今回紹介するのは、コロラドのシンガー兼プロデューサーのHow To Dress Wellがリリースした「I Am Toward You」です。
How To Dress Wellはコロラド出身のシンガー兼プロデューサーです。
2000年代後半に登場。2009年に「The Eternal Love」などのEPを発表し、2010年には1stアルバム「Love Remains」をリリースします。その後も2012年の「Total Loss」、2014年の「"What Is This Heart?"」などのアルバムを発表。2018年作「The Anteroom」以降はリミックス集のリリースが続いており、オリジナルアルバムは今作が久々の作品となります。
シンガーとしては、Robin Thickeあたりに通じる甘く繊細な歌声の持ち主です。サウンド的にはR&Bやアンビエント、ノイズなどを取り入れたクロスオーバー志向の強いスタイル。オルタナティヴR&Bとインディロックの中間のような音楽性です。
今作はインディロック的な色も強い、ノスタルジックで優しいムードの作品です。オルタナティヴR&B好きの方もインディロック好きの方も是非。
Frank Oceanをより一歩インディロックに近づけたみたいな曲。
シンセのループとキック、加工を大胆に施した歌声を合わせたエモーショナルな曲です。シンプルなようで複雑。
歪んだギターが唸るインディロック色の強い曲。
しかしギターが終わって入ってくる歌声は(オルタナティヴ)R&Bマナー。その二つが交互に顔を出すような構成です。
5. nothingprayer
神々しいムードの異形ゴスぺル的な曲。
漂うような歌声を声ネタ的に使った、普通の歌モノとは違うノリの曲です。フォーキーなギターループやサックスソロも印象的。
9. A Faint Glow Through a Window of Thin Bone (That’s How My Fate is Shown)
今作の中では比較的ストレートな歌モノらしい曲。
途中まではエレクトロニックな要素を控えめに、ピアノやストリングスに乗って誠実に歌っています。しかし後半ではそれがノイズ的に変化。
繊細なオルタナティヴR&B路線。
美しいギターのループとシンプルなドラムで、優しい歌声を聴かせる佳曲です。ギターと声ネタで聴かせる後半の展開も見事。
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