2023年おすすめ新譜アルバムVol. 117: DJ Green Lantern「Jazz Dream」
新譜アルバム紹介Vol. 117です。
今回紹介するのは、NYのDJ兼プロデューサーのDJ Green Lanternがリリースした「Jazz Dream」です。
DJ Green LanternはNY出身のDJ兼プロデューサーです。
1990年代半ば頃に登場。DJとして多くのミックステープを発表しつつ、プロデューサーとしてもJadakissやSheek Louchなどの作品に参加します。2004年にはLudacrisのヒット曲「Number One Spot」をプロデュース。その後もBusta RhymesやIce Cubeなどの作品に参加しています。近年もGriselda周辺の作品でのホストDJやプロデューサーとして活躍。長いキャリアを持つベテランアーティストです。
基本的な作風はジャズやソウルをサンプリングしたオーガニックな質感のものですが、ブーンバップ的なものにこだわりすぎず808なども導入する柔軟なプロデューサーです。
今作はジャズ色がかなり強いインスト中心の洗練された作品です。しかし根っこはヒップホップなので、ジャズミュージシャンの作品とはまた違った魅力があります。良作。
暖かいホーンが印象的なインスト。
生々しい演奏の良さを活かしつつも、やはりヒップホップのグルーヴで構築されています。スクラッチも披露。
3. Step Into A World Pt. 1 (feat. Amber Navran & Daniel Crawford)
ヒップホップクラシックのカヴァー的な曲。
ジャジーで緻密なサウンドに乗り、MoonchildのAmber Navranが例のフレーズを歌い上げる良曲です。かなりジャズ寄りの印象。
今作のハイライトの一つ。
暖かいホーンや穏やかなエレピ、緻密なドラムが沁みる哀愁系インストです。声ネタの使い方も絶妙。
ウッドベースのループが印象的な曲。
シンプルなワンループではなく展開も付いていますが、ヒップホップ的な側面が強く出ている曲です。コーラスの使い方も絶妙。
8. The Garden
定番ネタ使いの曲。
ここでの美しいピアノループはかなりヒップホップマナーです。ドラムの緻密な組み立てやソウルフルな歌声の使い方が見事。
13. Creep Wit Me (feat. Kelsey Gonzales)
The Free Nationalsのベーシスト、Kelsey Gonzalesをフィーチャー。
メロウなエレピのループに生々しさを切り取ったドラム、声ネタが目立つ好曲です。ベースで聴かせるような曲ではありませんが、随所で絶妙なフレーズが堪能できます。
17. Humble Eagle
穏やかで繊細なメロウ曲。
ドリーミーな響きのサックスが、優しいエレピや歌声に溶け込んだ佳曲です。ジャズにかなり寄せたようで、ループ感などヒップホップとしての良さもしっかりとあります。
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