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2023年おすすめ新譜アルバムVol. 85: Kabeaushé「The Comming of Gaze」

新譜アルバム紹介Vol. 85です。

今回紹介するのは、ケニアのシンガー兼プロデューサーのKabeaushéがリリースした「The Comming of Gaze」です。

Kabeaushéはケニアを拠点に活動するシンガー兼プロデューサーです。

2020年代前半に登場。2022年にはNyege Nyege Tapesからシングル「Andnowawordfromoursponsors」を発表し、その後もHakuna Kulalaからシングルを2曲リリースしています。アルバムとしては今作が初となる新進アーティストです。

プロフィールはシンガーとなっていますが、ラップの割合が多く歌い方もラッパー的です。Kanye WestやThe Neptunes、Tyler, The Creatorなどの影響を感じさせる奇怪なサウンドを聴かせます。ヒップホップをベースとしつつも、ハウスなどの要素も感じられる広がりのある音楽性の持ち主です。

今作はエレクトロニックな質感の曲を中心にしつつ、オーガニックなものも少し取り入れたカラフルでユニークな作品に仕上がっています。Nyege Nyege Tapes/Hakuna Kulalaファンの方はもちろん、アメリカのヒップホップが好きな方も是非。


1. Andnowawordfromoursponsors

音数を絞ったバウンシーな曲。

ドゥーワップっぽい多重録音コーラスにブリブリのベース、スナップ音を基本としたミニマル路線です。後半で入ってくる跳ねるようなキックには現行ベイG作品と通じる匂いも。


2. A Song About Joy and Sadness

展開が多く忙しない曲。

ボコボコしたキックが目立つビートで歌ってからゴリゴリのベースが入ってきて、そこからラップになだれ込み、そして元に戻るような構成です。音使いはどことなくThe Neptunesを思わせるもの。


3. Bully Me

比較的ストレートなヒップホップ路線。

Steve Lacyが作りそうなローファイなギターに、手数の多い808を合わせたトラップ系の曲です。ラップと歌を織り交ぜた乗せ方も見事。


4. Lift your Spirit

Nyege Nyege Tapes流ハイフィのような曲。

ミニマルなシンセとダーティな808が印象的なビートで、柔軟に歌いラップする好曲です。Droop-Eあたりに通じる良さ。


8. Dichotomous Key

The Neptunesが作りそうなミニマルな曲。

シンプルなウワモノに圧の強い低音、妙にSEっぽい鳴りのドラムなどが目立つ好曲です。後半の音数を絞った展開もお気に入り。


9. Unidentified Sock Holes

この曲もハイフィっぽい匂いがします。

Young Lが作りそうな跳ねるような808を鳴らし、妖しいシンセで味付けしたシンプルな曲です。スカスカなビートにラップが映えています。


13. Ramen Noodles

この曲はウワモノがラチェット的。

ハウスっぽい音階のシンセのループに軽快なドラムを合わせたビートで、キレのあるラップを聴かせる良曲です。フックでのボコボコとした808の連打が強力。

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