2021年おすすめ新譜アルバムVol. 80: GeminisAzul「Blur blue」
新譜アルバム紹介Vol. 80です。
今回紹介するのは、大阪のビートメイカーのGeminisAzulがリリースした「Blur blue」です。
GeminisAzulは大阪出身のビートメイカーです。
これまでの活動や音楽性については以前書いたこちらやこちらを。この後は19年のZAOとのタッグ作「四」、20年のソロ作「Sofaking」などをリリースしています。
今作は美しいメロディ感覚とタメの効いたグルーヴが活きた、ユニークなインストヒップホップ作品です。J Dilla系譜のビートですが、より繊細な方向に舵を切った独自性は新しいものが好きな方にも刺さると思います。
1. Blur blue
美しいヴォーカルのチョップが印象的な曲。
遅れ気味のタイム感で入ってくる控えめなドラムや、つんのめるようなベースが奇妙な味わいを出しています。美メロだけではない良さ。
低速化したヴォーカルを巧みに用いた曲。
加工を施した歌と涼しげなギターが、マッドでいてどこかノスタルジックな雰囲気を出しています。スナップ音や高速ハイハットといった南部ヒップホップ的な要素の調和も不思議。
4. lemony
ピアノをループしたハートウォーミングな曲。
一瞬ジャジーヒップホップかと思うような音色ですが、妙に生っぽい動き方をするハイハットや、エッジーなシンセが入ってきて一筋縄では行きません。ゴリっとしたベースも良いです。
6. 昨日の輪郭
綺麗なピアノが寸止め感を持ってループされる曲。
よれたドラムが気持ち良い気持ち悪さを出す中、低速化ヴォーカルやビヨビヨとしたベースも自然に溶け込んだ好曲です。ちぎれたノイズも印象的。
7. her
美しいピアノやサックスを使った暖かい曲。
フックで入ってくるシンセや、妙に生っぽい動きの高速ハイハットが良いアクセントになっています。歌のサンプリングも絶妙。
8. oh why
加工を施した歌のサンプリングが印象的な曲。
不穏なベースや気だるいドラムを使いつつ、全体的にはエモーショナルな感触に仕上げた良曲です。美しいピアノの使い方もばっちり。
クールなエレピや歌のサンプリングが沁みる曲。
エレクトロニカっぽい味わいのシンセやドラムがよれた動きで入ってくる、ユニークでいて繊細な曲です。細かく刻まれたフルートのような音も印象的。
ここから先は
¥ 100
購入、サポート、シェア、フォロー、G好きなのでI Want It Allです