2021年おすすめ新譜アルバムVol. 67: Larry June「Orange Print」
新譜アルバム紹介Vol. 67です。
今回紹介するのは、ベイのラッパーのLarry Juneがリリースした「Orange Print」です。
Larry Juneはベイ出身のラッパーです。
初期はYoung Jun3名義で活動。Guce周辺から登場し、07年にはミックステープ「Same Book Different Page」を発表します。09年のミックステープ「Blinded by the Streets」の後にLarry Juneに改名し、10年にはアルバム「Cali Grown」をリリース。13年のアルバム「Cali Grown 2」を挟み、14年にはTM88とのタッグ作「Route 80」頃から注目を集め始めます。その後16年のSledgrenとのタッグ作「Sock It to Me」など多くの作品をリリース。客演でもPost MaloneやCurren$y、LNDN DRGSなどの作品に参加しています。
初期はラップスタイルはT.I.フォロワーで、サウンド的にもハイフィやバウンシーな路線もやっていました。13年作「Cali Grown 2」頃から、低音でクールかつ飄々とラップし、ゆるく歌うスタイルに移行。サウンド的にもソウルフルでメロウ、レイドバックしたものを好むようになっていきました。近年はウェッサイらしいメロウネスにトラップ要素も取り入れたスタイルを確立し、G好きの間での人気が上昇しています。
今作はメロウでソウルフルなものを中心に、不穏なファンク路線なども少し取り入れた傑作に仕上がっています。G好きの方はもちろん、ヒップホップが好きなら幅広い方におすすめです。
Jake Oneプロデュース。
Tuxedoを踏まえてブーンバップを作ったような、ファンキーなベースが印象的な良曲です。Larry Juneの淡々としたラップも噛み合っています。
3. Wait On Me
イントロのセクシーな歌から完全にノックアウトされます。
エレピやストリングスが効いたメロウなビートで、クールにラップしスムースに歌う悶絶級の曲です。G好きの方にはたまらないはず。
Mr. Rogersが手掛けたテキサスGっぽいメロウ。
美しいピアノをトロトロな雰囲気で聴かせる極上のビートに、Larry Juneのラップスタイルが完璧に溶け込んでいます。例の高音シンセも。
5. Intercepted Feat. Money Man
ピッチ加工サンプリングを用いたクラウドラップ。
重厚なシンセとトラップ的な808を使った少し方向性を変えたサウンドですが、自然に乗りこなしています。Money Manのクールにゆるくラップするフックもばっちり。
9. Grand Nash Chronicles Feat. Trae Tha Truth
Mr. Rogersプロデュース。
美しいストリングスをループしたソウルフルな哀愁路線です。スクラッチにゆるい歌が絡むフックが志向。Trae Tha Truthの低音の詰め込み気味のラップも素晴らしいです。
DeJ Loafと共に全編ラップではなく歌った曲。
切ないギターを使った哀愁系トラップビートで、悲しげな二人の歌が絡む良曲です。二人のハーモニーが美味。
12. Iced Coffee
Jake Oneが手掛けたソウルフルな曲。
Tuxedoマナーのシンセベースをブーンバップっぽくループした、Jake Oneならではのビートです。Larry Juneのクールで飄々としたラップとゆるい歌フックも映えています。
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