2021年おすすめ新譜アルバムVol. 87: El Michels Affair meets Liam Bailey「Ekundayo Inversions」
新譜アルバム紹介Vol. 87です。
今回紹介するのは、NYのファンクバンドのEl Michels AffairとUKのシンガーのLiam Baileyがリリースした「Ekundayo Inversions」です。
El Michels AffairはNYを拠点に活動するマルチミュージシャン、Leon Michelsを中心としたファンクバンドです。Liam BaileyはUK出身のシンガーです。
El Michels Affairについては以前書いたこちらを。Liam Baileyは10年代前半に登場し、14年のアルバム「Definitely Now」や19年のEP「Brand New」などをリリースしています。20年にリリースされたLiam Baileyのソロ作「Ekundayo」ではLeon Michelsがプロデューサーとして参加しており、今作の原型となる曲を聴かせています。
Liam Baileyは、ソウルフルかつレゲエからの影響を感じさせる歌を聴かせるシンガーです。サウンド的にはオーガニックなソウルをベースとしつつも、レゲエやブルース、オルタナティヴR&Bなどを取り入れたものを聴かせます。
今作は20年作「Ekundayo」をEl Michels Affiarとのタッグでリメイクした、ダブ的な発想の作品です。オーガニックでありつつも、ズブズブのマッドな音像が堪能できる良作に仕上がっています。
2. Conquer & Divide Feat. Black Thought
オリジナルには不在のBlack Thoughtのラップもフィーチャー。
不穏なベースが唸るダーティなレゲエでBlack Thoughtがタイトにラップし、その後一気に陽気でレトロなレゲエになるユニークな曲です。DJっぽい感覚。
4. Angel Face
ネチネチしたギターが印象的な曲。
El Michels Affairらしいヒップホップ以降のファンクネスもありつつ、しっかりとLiam Baileyマナーのレゲエのテイストを入れてきた好曲です。ブーンバップっぽいループ感があるアウトロがお気に入り。
5. Walk With Me
オルタナティヴR&Bを生演奏で作ったみたいな曲。
アーシーなオルガンを使ったローファイな質感のサウンドで、Liam Baileyの歌が沁みる良曲です。随所で聞けるサンプリングっぽい音の切れ方も印象的。
8. Ugly Truth Feat. Lee "Scratch" Perry
オーガニックでいて少しトラップっぽいドラムパターンの曲。
Lee "Scratch" Perry(R.I.P.)のディープな歌と喋り、Liam Baileyのカラッとした歌がマッドな音像で堪能できる佳曲です。今作のハイライトの一つ。
9. I Love NY
どちらかというとEl Michels Affair寄りの曲。
心地良いエレピや暖かいサックスが効いたメロウ路線です。しかしディレイが効いたヴォーカルの処理など今作ならではの要素も。
11. Awkward (Take 2)
Frank OceanやJames Blakeが出てきそうなオルタナティヴR&B風味の曲。
El Michels Affairらしい生演奏やLiam Baileyのレゲエ風味の歌を活かしつつも、ヴォーカルにエフェクトを巧みに絡めて新鮮な響きを生み出しています。今作のベストトラック。
13. Faded
エレピが効いた哀愁メロウ路線。
レゲエ色はそこまで強くなく、El Michels Affairの色が強い印象の曲です。Liam Baileyの優しくソウルフルな歌が沁みます。
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