おすすめ旧譜アルバムVol. 63: Mike Jones「Who Is Mike Jones?」
旧譜紹介Vol. 63です。
今回紹介するのは、テキサスのラッパーのMike Jonesによる05年のアルバム「Who Is Mike Jones?」です。
Mike Jonesはテキサス出身のラッパーです。
00年代前半に登場。Swishahouseのコンピレーションへの参加や客演などを経て、03年にはミックステープ「Ballin Underground」を発表します。その後04年に発表したシングル「Still Tippin'」がヒットし、05年には本作「Who Is Mike Jones?」をリリース。ここからメインストリームで人気が上昇し、T-PainやThree 6 Mafiaなどの作品にも参加していきます。その後はミックステープやシングルを数枚発表し、09年には2ndアルバム「The Voice」をリリース。以降は目立った活動はありませんが、今年リリースされたIDKのアルバムに参加するなど現在も現役で活動しています。
高めの声質でゆるさと切れ味を併せ持つフロウを使うラッパーです。同じフレーズを何回も反復する人力二枚使いのような技の多用も特徴。サウンド的にはテキサスらしいヘヴィなバウンスやメロウなど。
本作はバウンシーな路線もメロウもバランス良く取り入れた、テキサスG好きの方ならたまらないであろう傑作です。
2. Back Then
Salih Williamsプロデュース。
オルガンのループが効いたアーシーなファンクです。低速化連呼フックとスクラッチが頭にこびりつく良曲。本作のハイライトの一つです。
3. Flossin' Feat. Big Moe
80年代っぽい甘酸っぱさがある哀愁路線。
ピアノやトークボックスを使ったメロウなサウンドで、Big Moeのフガフガとした歌と絡む佳曲です。Big Moeが歌うフックに悶絶必至。
4. Still Tippin' Feat. Slim Thug & Paul Wall
本作のベストトラック。
ストリングスのループが印象的な重心の低いバウンス名曲です。客演二人も素晴らしいラップを残しています。
6. Scandalous Hoes Feat. Lil' Bran
男性シンガーのLil' Branをフィーチャー。
ソウルフルなネタ使いが光る、これぞ南部Gな哀愁メロウです。Lil' Branのやるせない歌もばっちり。
8. Turning Lane
スクラッチが良いアクセントになったバウンス。
高速ハイハットの使い方は今ならトラップのようにも聴けると思います。チープなピアノはテキサスGらしい味。
9. Laws Patrolling Feat. CJ, Mellow & Lil' Bran
例の高音シンセをループしたメロウなバウンス。
オルガンや高速ハイハットでテキサスG印のイナタさが出ています。Lil' Branの歌うフックはやはり美味。
10. 5 Years From Now Feat. Lil' Bran
メロウが続きます。
穏やかなエレピを用いた透明感のあるビートで、Lil' Branのソウルフルな歌が沁みる好曲です。Mike Jonesも歌心のあるフロウを披露。
11. Cuttin' (Remix)
Salih Willams得意のイナタいバウンス。
初っ端からヨーデルに笑ってしまいますが、それがオルガンを使った隙間のあるビートに不思議と調和しています。フックでの執拗なヨーデルの刻み方が強烈。
12. What Ya Know About... Feat. Paul Wall & Killa Kyleon
ヘヴィなピアノが効いたバンギン。
Mike Jonesの声を低速化したフックを挟み、低音でどっしりとしたPaul Wallと高音でキレのあるKilla Kyleonとの個性豊かなマイクリレーが楽しめます。フックで入ってくるミニマルなシンセも印象的。
14. Type Of Nigga U Need Feat. Brighteyes
テキサスG印の哀愁メロウ曲。
落ち着いたシンセやストリングスを使ったビートで、Brighteyesのキレと歌心のあるイナタいラップと絡む良曲です。フックでのヘタウマな歌が沁みます。
15. Grandma
チップマンク・ソウルを取り入れた哀愁路線。
ギターやストリングスがテキサスG流儀の魅力を放つ中、早回しされたヴォーカルが自然に馴染んでいます。Mike Jonesのゆるい歌もばっちり。
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