2023年おすすめ新譜アルバムVol. 35: SSRICHH33「Richie Richh」
新譜アルバム紹介Vol. 35です。
今回紹介するのは、ベイのラッパーのSSRICHH33がリリースした「Richie Richh」です。
SSRICHH33はベイ出身のラッパーです。
2020年前後にEBK周辺から登場。シングルの発表や客演の後、2022年には「Like Rich」、「33 Reasons」、「Product Of My Environment」の3枚の作品をリリースします。まだ作品数がそこまで多くはない、新進ラッパーです。
親交のあるEBK Bckdoeと近い、ダミ声でオフビート気味のフロウを聴かせる強烈なラッパーです。サウンド的にもEBK系で、跳ねるようなリズムとダーティな低音が効いたものが中心。その癖の強さをキープしつつメロウな路線にも挑みます。
今作は奇怪成分強めなビートをメインに揃え、そのインパクトの塊のようなラップで乗りこなした充実作に仕上がっています。少し変わった音楽を聴きたい方も是非。
Dr. Dre「2001」系のピアノを使った曲。
しかし圧の強い低音や細かく鳴るSE、ピッチが高すぎる声ネタなどをまぶして怪ビートになっています。さらにラップも強烈。
3. High Asf (feat. Lul Snake & Verde Babii)
ビリビリと痺れるような低音シンセが効いた曲。
ノスタルジックなウワモノを、跳ねるようなキックの打ち方やカラスの鳴き声で奇怪に仕上げています。曲者揃いのラップも楽しいです。
4. No Recruits (feat. ZayBang)
冷たいピアノをループしたバンギン。
ZayBangのオラついたオンビートのラップで始まり、癖の強い曲が続いた流れの良いスパイスになっています。しかしSSRICHH33のヴァースからは癖がしっかりと復活。
5. Janky Jamaicans (feat. Lul Snake & Verde Babii)
今作のハイライトの一つ。
ピッチを変えた声ネタを細かく刻み、ダーティな808やシリアスなピアノを合わせた良曲です。カオスなムード。
7. Jumpshot
歌声のサンプリングが印象的な曲。
跳ねるような割れ気味の低音やSSRICHH33のラップは相変わらずです。哀愁が漂っているのにメロウに振り切らない不思議なバランス。
13. Trisha Patterson (feat. Wopdell)
今作のベストトラック。
切ないシンセや早回しの歌声サンプリングを使ったビートで、荒々しいラップを聴かせるエモーショナルな曲です。Wopdellのずっこけそうなほど暑苦しいラップがインパクト大。
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