2024年おすすめ新譜アルバムVol. 48: Bfb Da Packman「Forget Me Not」
新譜アルバム紹介Vol. 48です。
今回紹介するのは、フリントのラッパーのBfb Da Packmanがリリースした「Forget Me Not」です。
Bfb Da Packmanはフリント出身でテキサスを拠点に活動するラッパーです。
2010年代半ば頃に登場。2014年にはミックステープ「Brilliant Pieces」を発表します。その後数曲のシングルを挟み、2019年に「God Blessing All the Fat Niggas」と「STD」の二枚のミックステープをリリース。2021年には1stアルバム「Fat Niggas Need Love Too」を発表しています。以降はALLBLACKやCash Kiddなどの作品に参加。今作はソロ作としては3年ぶりのリリースとなります。
太い声質でまろやかでイナタいフロウを聴かせるラッパーで、どこかコミカルな雰囲気も持っています。サウンド的にはミシガンマナーのバンギンやソウルフル路線、トラップなど。出身地のミシガンと活動拠点のテキサスの両方の要素を持った音楽性です。
今作はどちらかといえばミシガン寄りの作品で、バンギンやメロウ、バウンシーなものなどが楽しめる好作に仕上がっています。
Yhung T.O.がフックを歌う哀愁メロウ路線。
シリアスなシンセと跳ねるようなドラムを使ったビートは、現行ウェッサイ的な魅力を持ったものです。ラップもDrakeo the Rulerからの影響がありそうなテンション抑えめなフロウが目立ちます。
3. Olympic Shit Talkin (with Rio Da Yung OG)
二人でヴァースを交換していくフックなしのシンプルな曲。
ギョロギョロしたシンセと跳ねるようなドラムを用いた、現行ミシガンマナーのバンギンです。ゆるいBfb Da PackmanとハードなRio Da Yung OGの対照的な絡みが楽しめます。
ちょっと1990年代南部ヒップホップっぽさのある曲。
メロウなエレピとホーン、ファンキーなベースが印象的な妖しい曲です。Bfb Da Packmanのまろやかなラップとも好相性。
9. On You Bad (feat. 03 Greedo)
現行ミシガン流儀のシリアスな曲。
蠢くようなベースと哀愁漂うシンセ、「Boyz-N-The-Hood」ドラムが効いた佳曲です。03 Greedoのルーズな歌フロウが冴え渡っています。
14. Kentucky Love (with Babyfxce E & KrispyLife Kidd)
アトランタヒップホップ名曲と同ネタを使った曲。
しかし跳ねるような808を使い、アトランタトラップというよりも現行ミシガン的なビートに仕上げています。トリビュート的なラインに思わずニヤリとさせられるはず。
15. GrindHard Therapy (feat. Starlito)
哀愁漂うソウルフル路線。
ドラマティックなストリングスが目立つ南部的なビートで、Starlitoの絞り出すようなブルージーなラップと絡む良曲です。出てきた瞬間から凄まじい存在感のStarlitoにノックアウト必至。
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