おすすめ旧譜アルバムVol. 73: Plies「Definition of Real」
旧譜紹介Vol. 73です。
今回紹介するのは、フロリダのラッパーのPliesによる2008年のアルバム「Definition of Real」です。
Pliesはフロリダ出身のラッパーです。
2000年代半ば頃に登場。2004年の「36 Ounces (A Whole Brick)」や2005年の「100% Real Nigga」といったミックステープの発表を経て、2007年には1stアルバム「The Real Testament」をリリースします。2008年には本作のほか、3rdアルバム「Da REAList」をリリース。2010年のアルバム「Goon Affiliated」のリリース以降はミックステープ中心の活動にシフトし、2015年の「Ain't No Mixtape Bih」など多くの作品を発表しています。現在も現役です。
高めの声質でイナタくGなフロウを聴かせるラッパーです。Master Pあたりに通じる魅力があります。サウンド的にはフロリダ勢らしいトラップやメロウ路線など。ルイジアナ勢と通じる音楽性のフロリダ勢、Kodak BlackやKoly Pなどの先駆け的存在です。
本作はトラップも交えつつもソウルフルでメロウな曲が充実した作品で、G好きの方にも現行メインストリーム好きの方にもおすすめした快作に仕上がっています。
1. I'm Da Man Feat. Trey Songz
Drumma Boyプロデュース。
重厚なホーンシンセを使ったDrumma Boy印のビートですが、今聴くと現行ウェッサイでよく使われる「Boyz-N-The-Hood」ドラムが入っていることに惹かれます。Trey Songzを迎えつつもメロウにしないバランスも今っぽく響きます。
2. Ol' Lady
透明感のあるシンセを使ったメロウ路線。
Pliesのイナタいラップが爽やかなビートにうまくハマった好曲です。Kodak Blackファンの方も是非。
3. Bushes
例の高音シンセも飛び出すGなトラップ。
妖しいピアノやホイッスルを使ったビートで、Juvenileあたりと通じるコテコテのラップが堪能できる良曲です。当時のメインストリームらしさとGセンスのバランスが見事。
6. Somebody (Loves You)
Patti LaBelleネタの哀愁メロウ。
煌びやかで甘酸っぱいウワモノに南部マナーの手数の多い808を絡めたビートで、Gなラップを聴かせる佳曲です。まんま使いのフックもばっちり。
7. Feel Like Fuckin'
透明感のあるエレピが効いたメロウ曲。
808の使い方的に現在のトラップとしても聴けるビートですが、ラップにもKodak Blackなどと近い感触があります。ラップにメロディアス成分はありませんが沁みます。
9. Who Hotter Than Me
本作のハイライトの一つ。
No Limitものっぽいタイトルですが曲もそれっぽいです。ホーンやミニマルなシンセを使ったトラップビートで、暑苦しいラップを聴かせる好曲。
10. 1 Day
美しいピアノやギターが光る哀愁メロウ。
ルーズでイナタいラップが切ないビートに見事にハマった、当時のメインストリーム的でありつつGセンスのある曲です。最後のヴァースでのギターだけでラップする箇所がお気に入り。
11. Bust It Baby, Pt. 2 Feat. Ne-Yo
本作のベストトラック。
J.R. Rotem制作の甘酸っぱいメロウビートで、Ne-Yoのナヨっとした歌と絡む名曲です。Ne-Yoはフックだけではなくヴァースも披露。
14. #1 Fan Feat. Keyshia Cole & J. Holiday
DJ NastyとL.V.Mの共作。
サイバーな響きのシンセを使ったトラップ系のビートで、今聴くとレイジっぽくも聴けます。Keyshia ColeとJ. Holidayの情熱的な歌の絡みも素晴らしいです。
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