2022年おすすめ新譜アルバムVol. 101: Dawn Richard and Spencer Zahn「Pigments」
新譜アルバム紹介Vol. 101です。
今回紹介するのは、ルイジアナのシンガーのDawn RichardとNYのマルチミュージシャンのSpencer Zahnがリリースした「Pigments」です。
Dawn Richardはルイジアナ出身のシンガーで、Spencer Zahnはマサチューセッツ生まれでNYを拠点に活動するマルチミュージシャンです。
二人とも2000年代前半に登場。Dawn RichardはR&BグループのDanity KaneやDirty Moneyでの活動の後、2010年代に入ってからソロ活動を本格化させました。Spencer Zahnは2015年頃からソロ活動をスタート。これまで両者の目立ったコラボはありませんでしたが、今年に入ってから連名でのEP「Pigments Movement 1」と「Pigments Movement 2」をリリースしています。
Dawn Richardはクールでソウルフルな歌を聴かせるシンガーです。ファンクやレゲエ、エレクトロニック・ミュージックなど多彩な要素をミックスしたエッジーなサウンドを好みます。Spencer Zahnはアンビエントとしても聴けるような、静かで美しい魅力を持ったジャズを聴かせるアーティストです。不穏なシンセの導入など捻りを加えた音作りも得意としています。
今作はSpencer Zahn色強めなスピリチュアルで繊細なサウンドにDawn Richardの歌が寄り添う、R&B+ジャズですがネオソウルとは明らかに異なるユニークな作品に仕上がっています。全曲が繋がったような構成も印象的。
2. Sandstone
優しいサックスや沈み込むようなベースが効いた曲。
スペイシーなシンセの使い方にDawn Richardのカラーも感じられます。しかし歌を聴かせるというよりパーツの一部のような印象で、そのバランスが見事です。
3. Indigo
Dawn Richardは歌わないインスト。
ふうわりとしたシンセにサックスやストリングスが絡む、アンビエントっぽくも聴ける曲です。声は入っていないもののDawn Richardのソングらティングクレジットはあり。
4. Vantablack
ヴォーカルにディレイを深くかけたズブズブとした魅力のある曲。
ディープなサックスやベース、幻想的なギターの響きなども心地良い佳曲です。Dawn Richardの歌の温度感が絶妙。
6. Cerulean
今作のハイライトの一つ。
スペイシーなシンセにサックスや歌、ストリングスを漂うように聴かせるシリアスな曲です。MIKE DEANみたいな重厚なシンセが入ってくる後半の展開にノックアウトされます。
8. Saffron
歌は後半まで入ってこない半分インストのような曲。
浮遊感のあるシンセに乗るサックスやストリングスが印象的な良曲です。丁寧に重ねていく歌声も沁みます。
9. Crimson
ちょっとオルタナティヴR&B的な要素のある曲。
序盤は繊細なストリングスが光るアンビエント的なサウンドで歌いますが、途中でアグレッシヴで硬質なドラムが入ってきて度肝を抜かれます。ドラムが再び抜けてからの美しさも素晴らしい好曲です。
ここから先は
¥ 100
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
購入、サポート、シェア、フォロー、G好きなのでI Want It Allです