2023年おすすめ新譜アルバムVol. 44: Black C「The Black Album」
新譜アルバム紹介Vol. 44です。
今回紹介するのは、ベイのラッパーのBlack Cがリリースした「The Black Album」です。
Black Cはベイ出身のラッパー兼プロデューサーです。
1990年代前半に登場。ラップグループのRBL Posseのメンバーとして活躍し、1992年のアルバム「A Lesson to Be Learned」などをリリースします。ソロ活動は2000年代に入ってから本格化し、2003年には1stアルバム「Last Man Standing」をリリース。2012年作「Still Ruthless」を最後にしばらくリリースが止まっていましたが客演は続け、2021年には久々のソロ作「Black Caesar」をリリースしています。
太めの声質でオンビートに力強くラップしていく、いかにもベイらしいスタイルのラッパーです。サウンドはGファンクやソウルフル路線が中心で、G好きの方にはたまらない音楽性です。
今作はラッパーに徹してビートは外部プロデューサーに委ねた作品です。Gファンクを基本としつつ、ラチェット以降のループ感でアップデートしたGな良作に仕上がっています。古くからのG好きの方も是非。
メロウなエレピが心地良いGファンク。
ループ感や808の使い方などにラチェット以降の匂いがします。例の高音シンセもしっかりと使用。
1990年代直系のGファンク。
極太ベースや高音シンセ、メロウなエレピがG好きの心を鷲掴みにする好曲です。わかりやすいフックもGな味わい。
6. Rainy Day Schedule (feat. Larry June)
今作のハイライトの一つ。
メロディアス成分は抑えて聴かせるソウルフル路線の曲です。Larry Juneのゆるゆるのヴァースに悶絶必至。
7. Heavy In It (feat. Yung Lott)
ラチェット経由のGファンク。
手数の多い808が効いた軽妙なビートで、二人のGな味わいのラップが楽しめる良曲です。今作のベストトラック。
9. What U Want (feat. Hermanata)
オートチューン歌フックを取り入れた曲。
ビートは重厚なシンセやブリブリのベースが光るGファンク系です。現行マナーに寄せすぎない良さがあります。
11. Make It Funky (feat. Joe Fresco)
ストレートなGファンク。
例の高音シンセや弾けるようなスネア、スクラッチによるフック…など、1990年代っぽい香りが濃厚です。ラップにもそのムードがあります。
13. Pimp Street (feat. Jay Worthy)
ブーンバップに近い落ち着いた曲。
太いベースが効いたタイトなビートで、スクラッチのフックを挟んでヴァースを交換するシンプルな曲です。Jay Worthyとも好相性。
14. Back Then
「Boyz-N-The-Hood」ドラムも使った現行ウェッサイマナーの曲。
ソウルフルな歌声のサンプリングに、ブヨブヨのベースや手数の多い808を絡めた哀愁Gファンクです。Black Cの燻し銀のラップも映えています。
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