2023年おすすめ新譜アルバムVol. 115: Trippie Redd「A Love Letter To You 5」
新譜アルバム紹介Vol. 115です。
今回紹介するのは、オハイオのラッパーのTrippie Reddがリリースしたミックステープの「A Love Letter To You 5」です。
Trippie Reddはオハイオ出身のラッパーです。
これまでの活動や音楽性については以前書いたこちらを。この後は2022年にアルバム「MANSION MUSIK」、今年に入ってからは今作の後にEP「Saint Michael」とそのデラックスエディション的な「Saint Michael V2」をリリースしています。
今作はR&B要素の強い柔らかでメロウなものを中心に据えたサウンドで、その歌心のあるエモーショナルなラップが堪能できる好作に仕上がっています。
1. Take Me Away (feat. Corbin)
落ち着いたエレピを使ったリラックスした曲。
ドラムもハードさ控えめで、Trippie Reddのメロディアスなラップの魅力が優しく入ってきます。ビートが美しいピアノに変わってCorbinが歌うアウトロも美味。
3. Thy Motion
ベッドルームっぽくも聴ける柔らかな曲。
暖かいギターに太めのドラムを合わせたビートで、穏やかな声色も
巧みに使って歌フロウを聴かせる良曲です。ラップの表現力の高さに唸らされます。
8. A Feeling (feat. Skye Morales)
Murda BeatzとLaVoyceがプロデュース。
どことなく2000年代R&Bを思わせる柔らかでメロウなサウンドで、女声シンガーのSkye Moralesと絡む佳曲です。Trippie Reddの歌心のあるラップとも好相性。
某NYラッパーの声ネタを早回しサンプリングした曲。
切ないピアノとワイルドな声ネタが目立つドラムレスの曲です。Trippie Reddのエモーショナルなラップが沁みます。
10. I'm Mad at Me (feat. Lil Wayne)
今作のハイライトの一つ。
ソウルフルなネタをサンプリングしたRick Rossタイプのビートで、歌フロウを封印してタイトにラップした曲です。Lil Wayneのヴァースもキレがあります。
11. Closed Doors (feat. Roddy Ricch)
涼しげなギターを用いたメロウ路線。
ドラムも抑えめな優しいビートで、Roddy Ricchと共にフリーキーな歌フロウを聴かせる好曲です。アクは強いですがメロディは綺麗。
13. Left 4 Dead
比較的ストレートなエモラップ。
生々しいギターやトラップ系の手数の多いドラムが効いたビートで、Trippie Reddの歌い上げラップが堪能できる良曲です。暗くない良さ。
14. Wind (feat. The Kid LAROI)
FnZも関わった曲。
ギターや重厚なシンセ、手数多めな808を使ったエモラップ系の曲です。The Kid LAROIのエモーショナルなラップとの相性も抜群。
15. Helicopter (feat. Tommy Lee Sparta)
レゲエディージェイのTommy Lee Spartaをフィーチャー。
ダンスホールレゲエ系のビートですが、ウワモノは柔らかでメロウなので今作の中に馴染んでいます。Trippie Reddもちょっとレゲエっぽいフロウを披露。
16. Took My Breath Away (feat. Skye Morales)
1990年代の西海岸Gに入っていそうなメロウ。
煌びやかなシンセと太めのドラムが目立つR&B寄りの曲です。後半での2Pac化にG好きの方はニヤリとするはず。
18. The Hate
ネタを早回ししてループしたのみのシンプルな曲。
ドラムレス/弱ドラム系ブーンバップとして聴けそうなビートですが、Trippie Reddmの乗り方はフリーキー&メロディアス。普通のブーンバップ作品では味わえない魅力があります。
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