おすすめ旧譜アルバムVol. 86: Straight Player Camp「Tales From The Crooked I」
旧譜紹介Vol. 86です。
今回紹介するのは、インディアナのラップグループのStraight Player Campによる2000年のアルバム「Tales From The Crooked I」です。
Straight Player Campはインディアナ出身のラップグループです。FootとADによるラップデュオのMiseryを中心に、ラッパー兼プロデューサーのBo LeggsとRichie E.がメンバーにいるようです。
グループとしての作品は恐らく本作のみ。Miseryは2001年にソロアルバム「It's Going Down」をリリースしているものの、それ以外の情報はほとんどないミステリアスな部分が多いグループです。
南部や西海岸のヒップホップからの影響を感じさせる、Gなスタイルのラッパーを多く擁するグループです。サウンド的にもGセンス溢れるメロウやバンギンが中心。イナタさはありますが癖が強すぎない、ミッドウェストらしい味わいです。
本作はメンバーの単独曲を集めたコンピレーション的な作品です。メロウやファンキーな曲が充実した良作に仕上がっています。
1. Straight Player
Bo Leggsのソロ曲。
この時期のG作品に多い、Dr. Dre「2001」系のヘヴィなピアノをループしたバンギンです。低音の詰め込みフロウにはFreddie Gibbsを思わせる瞬間も。
2. Bounce to 'Dis (feat. Richie E.)
Misery名義の曲。
ジメジメとしたムードの中西部Gファンクです。ブヨブヨのベースに例の高音シンセ、イナタいラップがG好きの心を鷲掴みにします。
4. Let 'Em Fly
Bo Leggsソロ。
甘くとろけるギターや例の高音シンセを使ったメロウな曲です。ゴリっとしたBo Leggsのラップもばっちり。
7. Momma (feat. Theo)
本作のハイライトの一つ。
男声シンガーがフックを歌うMisery名義の曲です。R&B色の強い優しくメロウなサウンドで、イナタいラップとソウルフルな歌が堪能できます。
10. Torn 'Em
ちょっとSuave House作品っぽい曲。
チロチロとしたウワモノや手数の多い808、例の高音シンセを使った妖しい曲です。主役はMisery。
12. Nobody
Bo Leggsソロですが、フックで謎の男声シンガーが登場します。
ブヨブヨのベースや軽めの808がこれぞGな味わいを出した、大ネタ使いのメロウなGファンクです。Bo Leggsのラップとも好相性。
14. Once A "G" Always A "G"
Bo Leggsによるファンキー路線。
メロウなエレピとブヨブヨのエレピを用いたビートで、太く柔らかいラップを聴かせる好曲です。コール&レスポンス系フックもばっちり。
15. Another Level (feat. Richie E.)
Misery名義のバウンシーな曲。
手数の多い808とファンキーなベースが効いたビートも、イナタくルーズなラップも1990年代Cash Moneyっぽい味があります。ソウルフルな男声シンガーも登場。
16. It's A Shame (feat. Theo)
Richie E.による哀愁メロウ。
寂しげなギターのループに神秘的なシンセを合わせたビートに、シリアスなラップとソウルフルな歌の絡みが乗る悶絶級の曲です。オヤGの方はソファに泣き崩れるはず。
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