2023年おすすめ新譜アルバムVol. 100: Factor Chandelier「Moving Like a Planet」
新譜アルバム紹介Vol. 100です。
今回紹介するのは、カナダのプロデューサーのFactor Chandelierがリリースした「Moving Like a Planet」です。
Factor Chandelierはカナダ出身のプロデューサーです。
2000年代前半に登場。2002年にはソロアルバム「Time Invested」やKay the Aquanautとのタッグ作「Deep Rooted」などをリリースします。その後もソロ作はもちろん、Kirby DominantやAwol Oneなど様々な面々とのタッグ作を精力的に発表。2010年以降もペースは衰えず、SoleやNoah23といったラッパーの作品でのプロデュースも行っています。
ブーンバップをベースにしつつ、インディロックやエレクトロニカなどの要素も取り入れた越境的な作風のプロデューサーです。クラウドラップ的な路線を聴かせることもあります。
今作はシンセを多用したスペイシーで緻密な音作りが目立つサウンドに、客演ラッパーも多く迎えた作品です。2010年前後のクラウドラップを思わせる瞬間も多いので、ブログエラのヒップホップが好きな方も是非。
客演を入れない(ほぼ)インストの曲。
小さな声の呟きやコーラスも取り入れつつ、神秘的なシンセと手数の多いドラムで聴かせる曲です。トリップホップなどが好きな方にもおすすめ。
某アトランタクラシックを引用した曲。
幻想的でヘヴィなウワモノと低速化された声、808の使い方など初期A$AP Rocky作品にも通じる魅力があります。Ceschiのキレのあるラップも見事。
4. Me and Mine (feat. AJ Suede)
浮遊感のあるシンセが効いたクラウドラップ。
ドリーミーで808も絶妙なビートが、AJ Suedeの噛み締めるようなラップとも抜群の相性を発揮しています。Main Attrakionzあたりが好きな方も是非。
5. Spinning
デンボーっぽいドラムを使ったインスト。
質感としては、冷たいシンセや早回しコーラスが印象的なエレクトロニカっぽい曲です。ヒップホップ作品ながら違和感なく調和しています。
9. 4U (Pt. 2)
客演はいませんが早回しの歌声を配した曲。
手数の多い808と瑞々しいシンセを使ったビートは、やはりクラウドラップ的な味わいがあります。後半には低速化する展開もあり。
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