2022年おすすめ新譜アルバムVol. 73: Theo Croker「LOVE QUANTUM」
新譜アルバム紹介Vol. 73です。
今回紹介するのは、西海岸のトランペット奏者のTheo Crokerがリリースした「LOVE QUANTUM」です。
Theo Crokerはフロリダ出身で現在は西海岸を拠点に活動するトランペット奏者です。
2000年代半ば頃に登場。2006年にはアルバム「The Fundamentals」をリリースし、以降も2009年の「In the Tradition」や2014年の「Afro Physicist」などアルバムリリースを重ねていきます。また、CommonやJ. Coleといったヒップホップ作品にも参加。近年はKassa OverallやAri Lennoxなどの作品への参加や、2021年のアルバム「BLK2LIFE // A FUTURE PAST」のリリースなどを行っています。
クロスオーバーではないスタイルも聴かせますが、近年はJ DillaやThe Neptunesなどの影響を感じさせるヒップホップ色の強いジャズに挑むことの多いミュージシャンです。
今作は多くの曲で客演を迎えた、プロデューサーっぽいセンスの作品です。ヒップホップとジャズ、ソウルを同一のものとして聴かせるようなサウンドが堪能できる快作に仕上がっています。
2. JAZZ IS DEAD Feat. Gary Bartz & Kassa Overall
Theo Croker本人もラップを披露した曲。
跳ねるようなドラムや低音シンセ(?)の鳴りなど、The Neptunesからの影響が感じられる曲です。しかしミュージシャンならではの生演奏の旨味もたっぷりと味わえます。
4. ROYAL CONVERSATION Feat. James Tillman
暖かいネオソウル路線。
細かく刻むドラムやメロウなエレピが効いたサウンドで、James Tillmanの歌とTheo Crokerのトランペットが絡む良曲です。とろけるような終盤がお気に入り。
5. COSMIC INTERCOURSE (Pt. II) Feat. Chris Dave
ヒップホップ要素の強いインスト。
ループ感のあるシンセやベースのフレーズで、Chris Daveの太く躍動感のあるドラムが映えた好曲です。ビートの一部のようでしっかりと主張のあるTheo Crokerのトランペットもばっちり。
7. DIVINITY Feat. Jamila Woods
ミニマルに組み上げられたネオソウル。
チョップしたようなウワモノやドラムが効いたサウンドで、多重録音ヴォーカルが楽しめる佳曲です。ヒップホップ色強め。
8. LOVE THYSELF Feat. Teedra Moses
ループ感のあるベースや細かく刻むドラムが印象的な曲。
ビートメイカーっぽいセンスが強く感じられるサウンドに仕上がっており、Teedra Mosesのソウルフルな歌も見事に映えています。今作のハイライトの一つ。
11. SHE’S BAD Feat. Wyclef Jean
Wyclef Jeanがラップするヒップホップ路線。
The Neptunesっぽいドラムやシンセの使い方が光るビートで、定番フロウも交えたラップが楽しめる良曲です。しかし生演奏のジャズとしての魅力も同時に成立しています。
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