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2022年おすすめ新譜アルバムVol. 81: Tay B「4Eva In My Bag」

新譜アルバム紹介Vol. 81です。

今回紹介するのは、デトロイトのラッパーのTay Bがリリースした「4Eva In My Bag」です。

ジャケ

Tay Bはデトロイト出身のラッパーです。

2010年代半ば頃に登場。2016年には1stアルバム「Minute After Midnight」をリリースし、その後も同年の「Minute After Midnight 2」や2017年の「AFLN」など作品のリリースを重ねていきます。以降も2018年に「Pioneer」や「LL Cool Tay」、2020年に「20/20 Vision」をリリース。客演でもCash KiddやDeJ Loafなどの作品に参加し、精力的に活動しています。

高めの声質でオフビート気味の冷徹なフロウや、Kodak Blackのようなぬめりのあるフロウを聴かせるラッパーです。サウンド的には現行ミシガンらしい殺伐としたバンギンやメロウ、トラップなど。近年はミシガン色強めです。

今作はメロウもバンギンも充実した現行ミシガンG印のサウンドで、そのクールなラップが堪能できる好作に仕上がっています。


1. Still Tay

Gな匂いがするメロウ路線。

遠くから聞こえてくるストリングスや透明感のあるエレピに、圧の強い808を合わせたシリアスな曲です。フックなしでひたすらクールにラップする作り。


4. So Icy

Helluvaプロデュース。

タイトル通りのネタを使った2000年代アトランタっぽい曲です。現行のボコボコした低音の鳴りとフックでのトークボックスが見事に馴染んでいます。


5. Half on the Food Feat. Babyface Ray & G.T.

フックなしの淡々としたマイクリレー。

フルートやピアノ、手数の多い808などを使ったシリアスな空気の曲です。Babyface Rayの泣きのラップはやはり抜群。


9. Like Woah Feat. Kash Doll

緊張感のあるストリングスが効いた曲。

ミニマルなウワモノと跳ねるような低音が印象的なビートで、冷徹なラップを聴かせる好曲です。様々な表情を見せるKash Dollのラップが良いアクセントになっています。


10. Did It Again

早回しサンプリングを使った哀愁路線。

ソウルフルな歌声や切ないシンセにダーティな808が絡む、メロウでいてハードな現行ミシガンらしい曲です。今作のハイライトの一つ。


12. Wish I Never

「Did It Again」と路線の近い哀愁曲。

早回しでサンプリングした歌声と強烈な低音を使った良曲です。Tay Bの歌うようなラップも沁みます。


15. In My Plans

ミシガン印のシリアスな曲。

冷たいピアノに重厚なシンセ、歌声が絡むハードでいて悲しげな佳曲です。Tay BのGなラップも映えています。

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