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2024年おすすめ新譜アルバムVol. 27: 2Sdxrt3all「ADLIBGOD」

新譜アルバム紹介Vol. 27です。

今回紹介するのは、アトランタのラッパーの2Sdxrt3allがリリースした「ADLIBGOD」です。

2Sdxrt3allはアトランタを拠点に活動するラッパーです。

2020年代前半に登場。シングルの発表を経て、2022年にはミックステープ「Did It For Twn」をリリースします。2023年には「Dxrtb3ll year」、「gotta be geeked」、「FUCK SCHOOL」の3枚のソロ作に加え、Whycegとのタッグ作「Stop Holdin Nuts」を発表。そのほか客演も多く行っており、精力的に活動しています。

パワフルな発声と脱力気味の発声を織り交ぜ、オフビート気味のフロウも用いてどこか飄々としたラップを聴かせるラッパーです。キャリアを重ねるにつれ徐々にアドリブがクドくなっており、現在ではラップと同じかそれ以上に存在感のある強烈なカオスを生み出しています。ビート選びはゲーム音楽っぽい匂いもするトラップが中心です。

今作はタイトル通り神懸ったアドリブの冴えを聴かせる、2Sdxrt3allを初めて聴く方はかなり衝撃を受けるであろうパンチのある作品です。ビートも充実した良作。


2. Handout

プラグっぽいリラックスした空気の曲。

しかしラップはリラックスとは真逆で、もはやどちらがラップでどちらがアドリブなのかもわからないやかましさです。割れてます。


3. Obama

ギョロギョロとしたシンセを使った曲。

囁き気味の発声や隙間の多いフロウと、絶叫系のアドリブが合わさった怪曲です。レイジ的にも聴けますが、ビートのテンションは抑えめ。


5. Dis Da Wave

ふうわりとしたシンセが効いたスペイシーな曲。

囁きラップと絶叫ラップを使いつつ、アドリブも相変わらずうるさいカオスな曲です。ヴォーカル面に気を取られますが、ドラムの複雑さもサラっと凄いことになっています。


6. Props

メンフィスものにも通じるダークな曲。

アドリブにディレイなどのエフェクトを加えており、かなり奇怪で癖の強い曲に仕上がっています。絶叫気味のラップも強烈。


14. Frag

今作のベストトラック。

ミニマルなループを使ったどこかコミカルなビートで、何かが憑依しているかのようなオフビート気味の怪ラップと怪アドリブを聴かせる曲です。エフェクトのかかったアドリブもラップも凄まじいインパクト。


18. It's Ight

初期Playboi Cartiがやりそうなプラグ系の曲。

ラップは比較的リラックスしており、ビートと相まってソフトな魅力を生んでいます。アドリブの使用も控えめです。

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