おすすめ旧譜アルバムVol. 58: Lil Milt「The Prophecy」
旧譜紹介Vol. 58です。
今回紹介するのは、テネシーのラッパーのLil Miltによる97年のアルバム「The Prophecy」です。
Lil Miltはテネシー出身のラッパーです。
90年代に登場。Playa Gの96年リリースのアルバム「Pimp Shit」やコンピレーションへの参加などを経て、97年には1stアルバムの本作をリリースします。00年には2ndアルバム「Brangin Sum」をリリース。以降は目立った活動はありませんが、Reverb Nationに15年頃のものと思しき曲がアップされています。また、Miltzartと名を改めているようです。
低めの声質で荒い魅力のあるラップを聴かせるラッパーです。サウンド的には初期は妖しい路線やメロウが中心ですが、その後はバウンスなども取り入れています。Reverb Nationに上がっている曲ではトラップも聴けます。
本作は南部Gらしいディープなメロウが充実した、オヤGの方はソファに泣き崩れっぱなしの傑作です。妖しいファンク路線もテネシー産ならではの旨味があります。
1. The Prophecy
メロウなエレピが効いた哀愁路線。
8Ball & MJGあたりの作品に近いスペイシーな味がある曲です。艶やかなベースが極上。
2. Ghetto Killaz
テネシー流儀のドロドロなファンク。
妖しいエレピやストリングスを使ったビートは、Three 6 Mafiaなどのメンフィス勢にも通じるものがあります。しかしそれよりもファンキーな部分を大切にした印象。
3. Code of True Hustraz Feat. Roc Blodshot
ヒリヒリとした緊張感漂うGな哀愁曲。
フックで入ってくる高音シンセに完全にノックアウトされます。客演のRoc Blodshotのいなたいラップで好演。
4. My Baby Mama
Playa Gがフックを歌う極上のメロウ。
Suave House作品っぽいスペイシーなサウンドで、Playa Gの美声に酔いしれる良曲です。Lil Miltも渋く決めます。
7. Game
南部G印のディープなメロウ路線。
ドロドロのベースがファンキーなビートで、女性シンガーのShonteがやるせなくフックを歌う好曲です。オヤGの方にはたまらないはず。
8. Better Day Feat. Maintain
まったりとしたファンク路線。
クールなエレピとドロっとしたベースが印象的なビートで、ねちっこいラップの絡みが楽しめる曲です。派手さはありませんが佳曲。
10. Another Lady Sings the Blues
再びShonteが登場。
Playa Gの手と思しき情感が滲み出たピアノが効いた、ドラマティックな哀愁曲です。Shonteの歌とシンセが絡み合うフックに悶絶必至。
12. For My Brothas
Playa G絡みの哀愁曲。
神々しいピアノを使ったゴスペルっぽい雰囲気のビートで、フックではPlaya Gが美しい声で歌い上げシンセを弾く極上のメロウです。今作のハイライトの一つ。
16. Hard Times Feat. DOE
大ネタ使いのソウルフル路線。
いなたい味付けでしっかりとテネシー流儀に仕上がっています。堂々とラップする二人のラップもばっちり。
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