2022年おすすめ新譜アルバムVol. 13: Babyface Ray「FACE」
新譜アルバム紹介Vol. 13です。
今回紹介するのは、デトロイトのラッパーのBabyface Rayがリリースした「FACE」です。
Babyface Rayはデトロイト出身のラッパーです。
これまでの活動や音楽性については以前書いたこちらを。この後はBig SeanとHit-Boyとの連名でシングル「It Ain't My Fault」をリリースしているほか、Curren$y & The AlchemistやDoe Boyなどの作品に参加しています。
今作は現行ミシガンらしいバンギンや哀愁メロウといったGなサウンドをベースとしつつも、よりトラップの要素も強めたような作品です。傑作。
1. My Thoughts 3 / Pop's Prayer
ビートスイッチのように途中でピッチが落ちる哀愁路線。
ディープなピアノを使った悲しげなトラップ系の曲です。Babyface Rayの泣きのラップが沁みます。
2. 6 Mile Show Feat. Icewear Vezzo
前半はSouthside、後半はATL Jacobが手掛けたビートスイッチのある曲。
ギラついたシンセが揺れるトラップから、MC Eihtが出てきそうなベースが印象的なファンク路線にガラッと変わります。Icewear Vezzoのチンピラ感の強いラップもばっちり。
モコモコしたベースを用いたミシガン流儀の曲。
クールなピアノや808のカウベルも印象的なGなビートで、Yung Leanのゆるい歌フロウと絡む良曲です。今作のハイライトの一つ。
6. Blood Sweat & Tears Feat. G Herbo
プロデュースにSouthsideも参加。
美しい歌声やギター、ピアノを使った哀愁系トラップです。Babyface Rayの細さとは対照的なG Herboの無骨な魅力が光ります。
10. Same Pain
オヤGの方もソファに泣き崩れるであろう哀愁メロウ。
優しいピアノにボコボコした低音が絡むビートで、The Jackaを思わせる泣きのラップを聴かせる好曲です。謎のシンガー(サンプリング?)の甘い歌声にも悶絶必至。
ソウルフルなホーンが印象的な曲。
高い声でヌラリとラップし歌う42 Duggが強烈な存在感を放っており、ファンの方にはたまらないと思います。Babyface Rayの方が出番が少なく客演気味。
13. Needed Some Love
西海岸G好きの方にも聴かせたいGファンク。
ファンキーなベースや1980年代R&Bっぽい煌びやかなシンセが効いたメロウな曲です。圧の強いキックは現行の鳴り。
14. Mob
ラップだけではなく曲名もThe Jackaっぽい曲。
ビートも例の高音シンセやブヨブヨのシンセベースを使った、Gセンス溢れるものです。今作のハイライトの一つ。
15. Dancing With The Devil with Landstrip Chip & Pusha T
名義こそ色々な人の名前が入っていますがBabyface Ray寄りの曲です。
もの悲しいピアノが目立つ哀愁漂うビートで、Landstrip Chipのナヨっとした歌フックを挟んでネチネチとしたPusha Tのラップと絡む好曲です。プロデュースにOG Parkerも参加。
16. Palm Angels, Palms Itching
Reuel & Damjonboiプロデュース。
手数の多いドラムを使いつつも、寂しげなピアノが沁みる哀愁曲です。Babyface Rayの泣きのラップも見事。
17. Kush & Codeine Feat. Wiz Khalifa
Sledgren制作の哀愁系トラップ。
フルートやギターの音が切なさを醸し出したスロウなビートで、フラフラとしたBabyface RayとキレのあるWiz Khalifaのラップが乗る佳曲です。Wiz Khlaifaヴァース終盤のビートの展開がお気に入り。
20. Motown Music
DJ ESCO制作の哀愁路線。
切ないピアノループにボコボコとした低音を合わせたビートに、泣きそうでいて力強いラップが絡む良曲です。フロウが一瞬メロディアスになる箇所にノックアウトされます。
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