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2022年おすすめ新譜アルバムVol. 44: Tanna Leone「Sleepy Soldier」

新譜アルバム紹介Vol. 44です。

今回紹介するのは、西海岸のラッパーのTanna Leoneがリリースした「Sleepy Soldier」です。

ジャケ

Tanna Leoneは西海岸出身のラッパーです。

2010年代後半に登場。初期はNoviiimber名義で活動し、2017年にはミックステープ「Duece」をリリースします。その後Baby Santanaに改名し、2019年にはEP「Fall or Fly '19」をリリース。2020年のEP「Mucho Gusto」をリリースした後、Tanna Leoneに改名しpgLangに加入します。その後シングルの発表を経て今作をリリースし、以降はKendrick Lamarのアルバム「Mr. Morale & The Big Steppers」にも参加しています。

落ち着いた声質でメロディアスなフロウや詰め込みフロウを用いる、Travis Scottあたりの影響を感じさせるラップスタイルの持ち主です。トラップ中心でロック的なものなどにも乗ります。Gファンク的な音色をたびたび取り入れており、SoundCloudラップ的なスタイルに西海岸フレイバーを足したような音楽性です。

今作はTanna Leone名義では初のアルバムで、トラップを軸にしつつエモーショナルな路線なども交えた良作に仕上がっています。


2. Fatal Attraction

透明感のあるシンセを使ったトラップ。

オートチューンを使って気だるく歌い、歯切れ良くラップする好曲です。少しレイドバックした空気にウェッサイが感じられます。


4. Nirvana

DJ DahiとLos Hendrixの共作。

生っぽい質感のドラムやベースが効いたロック的な路線です。短めでインタールード的な曲ですがちょうどよいバランス。


5. Butterfly

穏やかなシンセを使ったPlayboi Cartiがやりそうな曲。

クリアなトラップビートに、オートチューンを使ってメロディアスなラップで乗る佳曲です。フックでのファルセットも印象的。


7. Death n' Taxes

優しいギターが沁みるエモーショナルな曲。

トラップ系のドラムを使わずパーカッションで繊細さを引き出したようなビートで、歌心のあるラップを聴かせる良曲です。インディロック的な良さがあります。


8. Here We Go Again

浮遊感のある路線からダークな路線へとビートスイッチする曲。

二つ目のビートは例の高音シンセをループした不穏なトラップで、西海岸の香りが漂っています。メロディアス成分控えめな乗り方もばっちり。


9. Lobos

美しいピアノを用いた内省的な雰囲気の曲。

隙間を活かしつつアドリブも巧みに入れたラップが優しく入ってきます。控えめなドラムも絶妙。


10. Go Mode

CashMoneyAPも関わった曲。

全体の空気はシリアスですが、ドラムだけなら少しラチェットっぽい軽さがあります。歌心のあるハードなラップもばっちり。


12. Heartbreaker

MVJORSとLos Hendrixが手掛けたエモラップ。

郷愁的なギターにグイっと動くベース、トラップ流儀のドラムが絡む好曲です。Tanna Leoneの歌寄りのラップが映えています。


13. If There’s A God

BēkonとThe Donutsによるプロデュース。

優しいギターと太いドラムが光る哀愁路線です。予想を裏切り続けるドラムがだんだんと癖になってきます。


14. February

「If There’s A God」の布陣にTeo Halmも加わった曲。

歪んだギターが目立つエモラップ路線です。メリハリの効いたビートの展開が楽しく、Tanna Leoneのメロディアスなラップともよく合っています。

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