2024年おすすめ新譜アルバムVol. 6: Kali Uchis「ORQUÍDEAS」
新譜アルバム紹介Vol. 6です。
今回紹介するのは、コロンビアのシンガーのKali Uchisがリリースした「ORQUÍDEAS」です。
Kali Uchisはコロンビアにルーツを持つヴァージニア生まれのシンガーです。
2010年代前半に登場。2012年には初のミックステープ「Drunken Babble」を発表します。2015年のEP「Por Vida」頃から注目を集め始め、2018年には1stアルバム「Isolation」をリリース。その後は2020年の2ndアルバム「Sin Miedo (del Amor y Otros Demonios) ∞」、2023年の3rdアルバム「Red Moon in Venus」などを発表しています。
初期はソウル色の強い音楽性でしたが、キャリアを進めていくうちにネオソウルやレゲトン、トラップやインディロックなどの要素を導入。クロスオーバー感覚を持った現代的なアーティストです。ソウルフルでありつつスペイン語も用いる歌も魅力的で、R&Bとラテンポップの両方の旨味を持っています。
今作は根っこにあるのはR&Bマナーですが、ラテン要素を強めに取り入れた作品です。ダンサブルな路線もメロウな路線も巧みに聴かせる快作に仕上がっています。
1. ¿Cómo Así?
Sounwaveも関わった曲。
ハウスとハイフィを横断するような軽快なドラムと、クールなシンセのループが心地良いスムースな曲です。艶やかなベースも美味。
レゲトン風味のメロウ。
この曲にもSounwaveがクレジットされています。ドラムはラテンマナーのダンサブルなものですが、R&Bとしての良さもあります。
3. Igual Que Un Ángel (with Peso Pluma)
シンプルなドラムが印象的なダンサブル路線。
Peso Plumaの穏やかな歌声とのスペイン語デュエットです。透明感のあるウワモノとファンキーに動くベースも絶妙。
今作の中では比較的ストレートなR&B寄りの曲。
ゴワゴワとしたベースをアクセントに、メロウなエレピとKali Uchisのソウルフルな歌で聴かせるスウィートな曲です。しかし歌はラテン色も強め。
ネオソウル系の落ち着いた曲。
タイトなドラムと生演奏っぽい質感のベースやギターが効いたサウンドで、ラテンフレイバーを漂わせつつソウルフルな歌が楽しめる好曲です。フックでの押し引き交えた歌いっぷりが見事。
10. Muñekita (with El Alfa & JT)
今作のハイライトの一つ。
音数少なめで、どこか1980年代ヒップホップみたいなファンキーさのあるレゲトンです。ラストに登場するJTのヴァースがベスト。
12. No Hay Ley Parte 2 (with Rauw Alejandro)
分厚いエッジーなシンセを鳴らしたレゲトン。
Rauw Alejandroの歯切れ良い歌も素晴らしいですが、主役のKali Uchisが歌うメロディがそれ以上に強力です。アンセム感のある佳曲。
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