おすすめ旧譜アルバムVol. 56: MJG「No More Glory」
旧譜紹介Vol. 56です。
今回紹介するのは、メンフィスのラッパーのMJGによる97年のアルバム「No More Glory」です。
MJGはメンフィス出身のラッパーで、同郷のラッパーの8Ballと組んだデュオの8Ball & MJGでの活動でも知られています。
8Ball & MJGとして90年代前半から活動。ソロとしては97年にリリースした本作が初作品です。デュオとしての活動がメインでソロ作はあまり多くはありませんが、以降は08年のアルバム「This Might Be The Day」、13年のアルバム「Too Pimpin」などをリリース。相方の8Ballと共に、現在も現役で活動しています。
しなやかでいてダイナミックな魅力を持ったラップスタイルの持ち主です。キャリアを重ねるにつれてダイナミックな部分が強化されており、00年代には凄まじい切れ味のラップが完成し多くのファンを虜にしました。サウンド的には初期はスペイシーなファンクやブルージーなものが中心でしたが、00年代以降はトラップなどの新しいサウンドにも乗っています。
本作は、Suave Houseらしい妖しくメロウでファンキーな曲が中心の傑作に仕上がっています。ラップもラフ一辺倒ではなくスムースな味を見せる時があります。テキサスG好きの方も是非。
2. Hip Hop Voodoo
妖しいシンセが鳴り響く南部Gファンク。
MJGのトレードマークである力強いラップが聴ける良曲です。フックでの掛け合い(クレジットなし)やスクラッチも楽しく聴けます。
4. Good Damm Man
男性シンガーがソウルフルにフックを歌う曲。
ドラムが太く派手さは控えめなので、ブーンバップ好きの方にもおすすめできます。フックで入ってくるチープなストリングスも印象的。
5. Shine and Recline Feat. Eightball
相方が登場する生演奏と思しきファンク。
ベースやピアノ、ギターの自由な動き方はジャズ好きの方にも刺さると思います。二人の息の合ったラップも抜群。
6. That Girl Feat. Rodney Ellis
男性シンガーのRodney Ellisをフィーチャー。
ファンキーなベースが効いたスムースなメロウ曲です。フックを歌うRodney Ellisの美声に悶絶必至。
8. Take No Shit Feat. The Fedz & Bun B
The FedzにBun Bとテキサス勢を迎えた曲。
UGKがやりそうなタイトなファンク路線です。生っぽいベースやギターがMJGのラフなラップと見事に合っています。Bun Bのヴァースも強力。
11. No More Glory
キレキレのラップで体感BPMがグイグイ上がるファンク。
チープなストリングスとピアノ、ゴリゴリのスラップベースが効いた良曲です。今作のハイライトの一つ。
14. Don't Hold Back
フックで男性シンガー&ラッパー(二人ともクレジットなし)をフィーチャー。
タイトなドラムと妖しいうわもの、ビリビリくるベースを使ったダンサブルな曲です。フックでのラップの掛け合いと歌の絡みが楽しく聴けます。
16. Hard But Fair
Suave Houseらしいスペイシーなファンク。
太いドラムは東海岸ヒップホップ好きの方にもおすすめ。男性シンガーのソウルフルな歌の絡みも良い味を出しています。
17. Middle of the Night Feat. 8Ball
妖しくスムースなファンク路線。
艶やかなベースとスクラッチが印象的なビートで、二人の息の合ったコンビネーションが堪能できます。MJGのキレも抜群。
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