Crystal Palace U21 選手紹介
W杯期間、皆様いかがお過ごしでしょうか。フットボールに対する熱は普段以上に感じる一方、愛するクラブの香りはパレス所属のアンデルセンやアイェウの活躍や過去に所属していたクヤテやヘネシーの活躍で感じるしかありません。
しかし、W杯ブレイクに突入しても尚、パレスのユニホーム姿で躍動する選手たちを応援する事はできます。現在、活動を続けているのはU21、U18の2つのカテゴリーです。
そこで今回はU21に所属するアカデミーの選手たちを紹介していこうと思います。
GK
Joe Whitworth (ジョー・ウィットワース)
2004年2月29日生まれ 18歳
身長こそ高くはないものの、適切なポジショニングと並外れた瞬発能力で難しいボールも難なく処理する。今シーズンはバトランドの骨折、ジョンストンの出遅れとGKの陣容が整わなかったこともあり、4試合にベンチ入りしたほか、ベンチ入りこそしていないものの、数多くの試合に帯同している。その影響からアカデミーでの出番は3部、4部を相手にしたリーグカップが大半となってしまっているが、出場すれば高パフォーマンスを見せてくれる期待の有望株だ。
Owen Goodman (オーウェン・グッドマン)
2003年11月27日生まれ 18歳
昨シーズンのU18正ゴールキーパーはトップチームのGKを取り巻く問題もあり、カテゴリーを上げた今シーズンもゴールマウスを守る。恵まれたフィジカルを活かしビッグセーブを連発する。2チームに分かれて行なったプレシーズンでは国内に残り、イプスウィッチタウン戦、ジリンガム戦の2試合に出場し勝利に貢献する。開幕後もU21の7試合負けなしに貢献し、その甲斐あってウルヴズ戦で自身初のトップチームベンチ入りを果たす。昨シーズン見られた軽率な飛び出しも減り、左足のキックの精度も向上してきた。ハイパフォーマンスを維持し、虎視眈々とトップチームデビューを狙う。
DF
Kadan Rodney (ケイダン・ロドニー)
2004年10月7日生まれ 18歳
メインで出場しているポジションはRBだが、必要とあらば守備的MFやLB、CBも軽々とこなす。当時17歳ながらカラバオカップの2回戦、オックスフォードUtd戦にてトップチームデビューを果たす。その際も本職のRBではなく、LBとしてプレーした。そこでのプレーが評価され直後のニューカッスルUtdとのリーグ戦でもベンチ入りを果たしている。近頃はライバルの台頭もあり出場時間こそ減少しているが、そこ知れぬスケールの大きさは依然として感じる。粘り強い対人守備と快足を活かした攻め上がりが特徴だがまだ線の細さも目立つため、フィジカルを鍛え上げアカデミーからデビューしたSBのワン-ビサカ、ミッチェルに続く。
Danny Imray (ダニー・イマレー)
2003年7月27日生まれ 19歳
2021年の1月に6部相当のチェルムスフォードシティから移籍してきたRB。加入後はレンタル移籍を繰り返してきたが今シーズンはパレスに残ってプレーをしている。口元の傷がセクシー。チェルムスフォードシティU18まではトップ下でプレーをしていたが、カテゴリーを上げるとともにRBにコンバート。元MFらしく右サイドから上がるクロスには一見の価値あり。また、最近は対人守備の能力も向上しており、数々の相手のクロスを阻んでいる。SBの育成に定評があるパレスでどこまで伸びるか期待は大きい。
Joshua Addae (ジョシュア・アデー)
誕生日不明
2022年の1月に18歳で9部相当のラングレーFCから加入した。生年月日はパレスHPにはアップされていないが、昨シーズンU18でプレーし、今シーズンはU21に帯同しているところを見ると、今年19歳になるレイモンドやウィットワースと同い年だと思われる。U18では高い身体能力を活かしてRB、WB、CBと幅広く出場時間を確保していたが、今シーズンは強力なライバルの存在もあり出場時間が限られてしまっている。持ち合わせている潜在能力は高く、今後必ず訪れる出番で存在感を示して欲しい。
Tayo Adaramola (タヨ・アダラモラ)
2003年11月4日生まれ 19歳
昨シーズン、FA杯で2試合に出場した期待の俊英も今シーズンのスタートは最悪だった。チャンピオンシップのコヴェントリーシティにレンタルで修行に出るもトップチームの戦力とは見なされず、開幕からわずか1ヶ月でパレスに出戻りとなってしまった。その後、U21でも昨シーズンほどの輝きが発揮できていないように見受けられる。とはいえ、もがき苦しむ中でも1対1で相手に抜かれる事は少なくなり、守備面での安定感は幾分かは増した。この苦しみを乗り越えた先にプレミアリーグという世界トップクラスの舞台が待っている。心身ともに万全になればより大きくなって戻ってくるだろう。
Noah Watson (ノア・ワトソン)
2003年5月5日生まれ 20歳
クラブでも稀少な左利きのCBで配球能力に長けている。昨シーズン、アダラモラがトップチームに帯同している期間はLBも務めた。しかし、1対1の守備対応に疑問符が残る点と、足も特筆して速いわけではないためCBで生き残る道を見出すべきだろう。ただクラブはこの夏、2人の若いCBを獲得した。現在はその2人がU21の主力としてゲームにでており、現状は3番手のCBという形だ。冬の移籍市場で2人のうちどちらかが修行に出れば必然的にチャンスは回ってくるが、その時まで待つのではなく、自分でポジションを奪取してほしい。
Kofi Balmer (コフィ・バルマー)
2000年9月19日生まれ 22歳
今シーズン、北アイルランド1部リーグで首位を走るラーンFCから加入したCB。まだ若い選手だが、100試合以上のトップチームでの出場経験があり、昨シーズンはヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフにも出場した経験がある。その経験値は伊達じゃなく、ビルドアップ時、相手のプレスに晒されても飄々として相手をいなす。PL2での敵なしの活躍が認められ、レスター戦やエヴァートン戦など計4試合のリーグ戦にベンチ入りしている。後半戦では、より強度の高いEFLで修行を積んで大きく成長してほしい。
Seán Grehan (ショーン・グレアン)
2004年2月8日生まれ 18歳
2022年夏にパレスでのトライアルに合格し加入したアイルランド出身のCB。今シーズンはバルマーとコンビを組み試合に出場している。モダンなCBで長短のパスを織り交ぜながらゲームを作る。バルマーよりも空中戦に強い印象がある一方で、相手から強度の高いプレスをかけられた際の対応はまだまだ。アイルランドU19代表に選出される活躍を見せており、プロ契約を結べるよう現在のコンディションを維持し高みを目指したい。
Cardo Siddik (カルド・シディク)
2002年9月21日生まれ 20歳
イラク出身のCB。クルド人というトルコ、イラン、イラクにまたがる山岳地帯にルーツを持つ民族の出身。フィジカルに長けており、セットプレーなどの空中戦でも強さを見せる。プレシーズンでは海外遠征に帯同し、リヴァプール、マンチェスターUtdとの試合に出場するなどいいスタートを切ったが、今シーズン加入した2人のCBに後塵を拝してしまっている。怪我がちなところもあり、調子の波は激しいがフィジカルの充実を図って出場機会を確保したい。
Ryan Bartley (ライアン・バートリー)
2003年11月18日生まれ 19歳
U18からカテゴリーを上げたCB。対人守備はこの世代No.1だとレイモンドやオラ-アデボミに評される。しかし、去年は下半身に大怪我を負い、わずか8試合の出場にとどまった。昨シーズンの終盤にはトレーニングに復帰し、プレシーズンではキャプテンマークを巻き試合にも復帰をした。早くトップフォームを戻し、出場機会を確保してほしい。
MF
David Ozoh (デイヴィット・オゾォ)
2005年6月1日生まれ 17歳
Nextヴィエラと評される守備的MFの将来有望株。強いフィジカルを生かしたボール奪取のみならず、ドリブルでもゴリゴリと前へ推進していき、ゴールへ迫る。プレシーズンでは海外遠征に帯同し、リヴァプールのチアゴなどと対峙し経験を積んだ。PL2ではフィジカルでどうにかなってしまう側面もあり、周囲との連携がチグハグになってしまう面も見られる。PL2のレベルでは別格に見えてしまう。レンタル先で修行に出るのもステップアップに繋がる。
Jack Wells-Morrison (ジャック・ウェルズ-モリソン)
2004年2月18日生まれ 18歳
今シーズン、U21でキャプテンを務める根っからのパレスっ子。オゾォとダブルボランチを組むがポゼッション時の攻撃の舵取りを担うのは大体ウェルズ-モリソン。戦況に応じて攻撃のリズムを操り、チームの下支えをする。カラバオ杯2回戦では出場機会こそなかったものの、ベンチ入りを果たした。タイプとしてはヒューズに近いが、今後の成長次第では器用貧乏な選手になる絵も描けなくはない。殻を破った圧倒的な活躍を期待している。
Killian Phillips (キリアン・フィリップス)
2002年3月30日生まれ 20歳
恵まれたフィジカルでトップ下からCBまでそつなくこなすハイパーポリバレント。プレシーズンツアーでは当時、ギャラガーの後釜を探していた事情もありリヴァプール戦にスタメン出場。積極的な守備で存在感を残した。また、ロドニーと共にカラバオ杯2回戦にスタメン出場し、チャンスを創出した。熱い性格の持ち主で、試合中には味方への激しい要求もしばしば見受けられる。その性格が悪い方向に作用してしまいそうな危うさも含め、見てて楽しい選手だ。
Jadan Raymond (ジェーダン・レイモンド)
2003年10月15日生まれ 19歳
TikTokのフォロワー50万人超え、YouTubeのチャンネル登録者も3万人を超えるアカデミーのインフルエンサー。左利きのアタッカーでエビュウェイ、オリーセ、ラク-サキと似たリズムを感じるが、彼らよりも内側でプレーをする。昨シーズン末の怪我を引きずり、開幕こそ出遅れたが、W杯期間の試合でスタメン出場し、ゴールに迫るなど存在感は示した。アカデミー施設の看板にはラク-サキの横に写真が飾られるなどクラブからの期待も大きい。プレシーズンではファンダイクにユニフォームを貰った。
Fionn Mooney (フィオン・ムーニー)
2003年10月12日 19歳
バイタルエリアを駆け回る快速の攻撃的MF。セットピースでもキッカーになる足元の精度も魅力。ただレイモンドと同様に今シーズンからカテゴリーを上げ、フィジカル面で苦労している場面も見受けられる。それでも出場をすればゴールを脅かす場面もある。チームメイトに容姿に無頓着というように評されており、特に髪型が酷評されていたが、放置している間にいい感じの長髪になってきた。
FW
David Omilabu (デイヴィット・オミラブ)
2002年9月27日生まれ 20歳
昨シーズンはカテゴリーを上げたことで上がったプレー強度についていけず、苦労したがその経験が今シーズンに活きている。左利きのウインガーとしてゴールに迫るだけなく、退場者が出た際にはLBとしてプレーするなどプレーヤーとしての引き出しも増やしている。その結果ここまで5ゴールを挙げるなど、具体的なスタッツも付いてきている。昨シーズンの苦労が明確に結果として花開いた。まだ20歳。まずは二桁ゴールを目標にトップチームを脅かしたい。
Maliq Cadogan (マリク・カドガン)
2004年2月25日生まれ 18歳
今シーズンU18から昇格した右利きのウインガー。クロスの精度が高く、昨シーズンのU18の躍進を下支えした。今シーズンは、昨シーズンのオミラブのようにフィジカル面で苦労している印象が見受けられる。加えてポジションが被ってしまっているオミラブの好調もあり出番も減ってしまっている。とはいえ、アカデミーの意義はあくまで育成。今後も出番が回ってくるはずで、そこでいかにアピールできるかが課題だ。
Victor Akinwale (ヴィクター・アキンワレ)
2004年8月6日生まれ 18歳
昨シーズン、25試合24得点とU18のリーグを蹂躙し尽くした万能FW。裏抜け、カウンターの起点、クロスにワンタッチで合わせるなど攻撃に関与するパターンも豊富。U21にカテゴリーアップした今季も随所で存在感は見せる。途中出場がメインにはなるが、短い時間の中でも確実に得点を挙げ、ここまで3ゴール。ただ、昨シーズンの活躍を考えるとまだまだ物足りない。結果を追い求め、後半戦も躍動したい。
Ademola Ola-Adebomi (アデモラ オラ-アデボミ)
2003年9月3日 19歳
圧倒的なフィジカルが長所の大型FW。タイプはマテタに近い。多くの選手が昇格初年度にフィジカル面での対応に苦しむ中、この男にはそんな心配は杞憂に過ぎなかった。圧倒的な巨躯を駆使しターゲットになり、攻撃をより円滑に進める。カウンターではDFを引きずりながらドリブルで進んでいく。問題はマテタと同様ゴール前の精度が今ひとつな点。今シーズンはここまで3ゴール。その点は今後の伸び代だ。
John-Kymani Gordon (ジョン-カマーニ・ゴードン)
2003年2月13日生まれ 19歳
昨シーズンのアカデミーのブレイクがラク-サキだとするならば、今シーズンはゴードンがその枠に当てはまる。昨シーズンのゴードンはラク-サキ、バンクスからポジションを奪えず出場時間も僅かとなったが、その2人がレンタル先で活躍している中、左WGで大きく飛躍している。ここまで圧巻の13ゴール、うち2回のハットトリックとゴールを固めどりしている。ただ、好不調の波が激しい側面もあり、5試合ゴールから遠ざかった期間もあった。しかしこの活躍が認められ、2018-19シーズン最終戦以来のプレミアリーグ3試合、カラバオ杯で1試合ベンチ入りするなど最もトップチームに近い男と言える。
終わりに
いかがでしたでしょうか。これを機にU21の試合も見ていただけるとFA杯がより楽しめると思います。U18に関しては今シーズン下のカテゴリーから昇格してきた選手の顔と名前がまだ一致していないため、W杯期間が終わってから上げるかも知れません。
ちなみに、アカデミーの試合はPalaceTV+で見ることができます。使って見た感想などは以下の記事に記載しています。併せて読んでみてください。
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