20-21 Season 第5節 vs Brghiton&Hove Albion
試合前状況整理
インターナショナルマッチウィーク明けで迎えた今シーズン最初のM23ダービーはセルハーストパークで行われることになった。ザハ、バチュアイ、ベンテケ、ヘネシー、マッカーシー、ミリヴォイエビッチが各代表に招集され、エゼもイングランドU-21代表に選出された。この中でマッカーシーとヘネシーは代表戦で負傷し長期の離脱が確定となり、代表を途中離脱したザハも戦前まで間に合うのか不透明という状況だった。
こちらが今節のスタメン。前述の怪我での離脱者が数人いる一方で怪我で離脱をしていたシュラップ、ケーヒルがスタメンで復帰しPVAもベンチ入り。また、トムキンスも練習に復帰するなど戦力として計算できる選手が着々と戻ってきているというのも事実である。
戦評
今まで見てきたパレスの試合の中で1番フラストレーションの溜まる試合だった。タウンゼントのクロスをバチュアイがボックス内で競った際に獲得したPKをザハが決め19分に先制して以降、まるでビック6を相手にしているかのような守備組織を築いた。ボールを奪ってもロングボールを収めることができずにほとんどが自陣でのプレーだった。その結果がウォードのクリアミスから90分に追いつかれ勝ち点1のドローとなってしまった。
また、強みであった組織力の高さもマッカーサーとリーデヴァルトの中盤のコンビでは前節ほど機能していたとは言えず、バイタルエリアでブライトンのララーナとトラサールの2人のシャドーにかなり使われてしまった。ただ、リーデヴァルトの出来は決して悪いわけではない。むしろアヤックス仕込みのドリブルや、オフサイドになってしまったもののバチュアイへのキラーパスを見せるなどかなり印象的なプレーを見せた。
では、どこが悪かったのだろうか。それはやはりフォーメーションを含めた全体的なゲームプランではないかと思う。確かに4-4-2のブロックを敷きインサイドハーフを中心にハーフスペースとバイタルエリアを埋めていくカウンター志向のサッカーはここ数年のビッグ6とのアウェイ戦での勝ち点がマンチェスターシティに次いで2位であることが示しているように有効な戦術であることは間違いない。守備での組織力で言えば中堅クラブの中ではトップクラスであることは間違いない。にも関わらず、バーンリーやニューカッスル、サウサンプトン等から抜け出せないのは今節のような試合を繰り返しているからだろう。
確かにグレアムポッター体制2年目のブライトンは格上相手には結果こそあまり出ていないものの、マンチェスターユナイテッド相手に勝ちに等しい試合を展開するなどかなり質の高いチームを作ってきた印象のあるチームだ。とはいえ、プレミア屈指の盛り上がりを見せるM23ダービーで、無観客とは言えホームでの試合で、ポゼッション34%、パス数も相手の42%、パス成功率も68%、極めつけはシュートがPKの一本のみと負けに等しいスタッツを展開してしまっている。
またホジソンの試合後のプレスでの試合評を要約してみた。
ー守備面には満足をしている。試合終了間際に失点してしまったことは残念だが勝ち点1は取れた。ブライトンはポゼッション志向のチームで今シーズンは良い結果を残しているが、パレスの選手たちは自分の要求通りにプレーし、最低限の目標には到達してくれた。もっとボールを持てれば良かったが中盤と前線の選手たちはハードワークをし、チャンスを作り出している。ー
この会見において、ホジソンがどれほどこの試合を勝ちに行ったのか。どのような意気込みで望んでいたのかという熱意があまり読み取れない。なにより、ダービーマッチであり今後中堅、下位クラブとの連戦が続く初戦で勝利して勢いになっていくという気概が見れなかった。
自分なりに理想のフォーメーションを考えてみた。どの試合も同じフォーメーションで攻撃はザハの出来次第という戦術では成績の高いレベルでの安定は望めない。結果が出ている対ビッグ6は現行の中盤がフラットの4-4-2でいいと思うが、中堅、下位クラブに対して攻撃時には中堅ダイヤモンドの4-4-2にしてより創造性のある形を試してみてもいいと思う。最終的にトップハーフに入るためには負けない試合と勝ちに行く試合の使い分けをすることが必須ではないかと思う。
個人的MOM
今回はケーヒルを挙げたい。身体を張ったシュートブロックなど安定した守備に加え、ミッチェルとランプティとの若者同士での小競り合いではダンクと2人で間に入りなだめる姿はキャプテンに相応しいものだった。終了間際に受けたファールでスネを負傷し、11月上旬まで離脱と報じられているがチームに不可欠な存在であることを証明した。
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