CPAPビギナーによくある7つの悩みと解決法~マスクかぶれ、目鼻口の乾燥など
こんにちは!
CPAP LABのスタッフです。
CPAP(シーパップ)って使い初めの頃は眠れなかったり、マスクでかぶれたり……。いろいろ苦労しますよね。
そこで今回は、睡眠時無呼吸症候群で治療中のCPAPビギナーによくあるお悩みとその解決法についてご紹介していきます。
1、マスクかぶれ
特に汗をかく時期になると「マスクかぶれがツライ!」という方は多いと思います。
私も、マスクかぶれには悩まされましたし、今も試行錯誤しています。
マスクかぶれの原因は、基本的には3つ。
ひとつずつ見ていきましょう。
マスクのサイズが合わないか、ヘッドギアをきつく締めすぎている
マスクのヘッドギアの調整には苦労しますよね。
まずは、メーカーなどが推奨している基本的な装着方法を試してみましょう。
ヘッドギアを緩めに締めてマスクを装着します。
鏡をみて、マスクの位置が正しいか確認します。
次に、横になって締めすぎないように締め直します。
空気を流してみて、空気漏れ(リーク)があれば微調整します。
どうしてもうまくフィットしない場合は、マスクのサイズや形状がそもそも合っていない可能性があります。サイズを替えるか、別のタイプのマスクを試してみるのもおすすめです。
マスクの下に皮脂が溜まっている
マスクが当たる部分に、ニキビや吹き出物ができたことはありませんか?
マスクが当たる場所は皮脂が溜まりやすいので、マスクのクッション部分や鼻プロング(鼻ピローにある鼻孔に挿入する部分)を毎日洗うことは、とても大切です。
表面に皮脂がない状態だとマスクの密閉性も高まります。
オイリースキンの方は、マスクを装着する前に洗顔したり、油取り紙で肌表面の油分をふき取ったりするのもおすすめです。
マスクと肌のお手入れをきちんとすることで、マスク周辺の吹き出物はできにくくなるはずです。
マスクの素材が肌に合わない
マスクの素材は品質の良い体に優しいものが使われていますが、それでも特にシリコンは汗や摩擦で傷んだ肌に刺激を与えることがあります。
おすすめは、シリコンが肌に当たる面積が最小限に抑えられた鼻ピローや鼻だけを覆うネーザルマスク。フルフェイスマスクに比べると肌に当たる面積が少なく、その分、肌へのダメージも少なめです。
また、暑い時期はエアコンを一晩中つけっぱなしにして、室温26℃、湿度50%前後に保つと、マスクかぶれを防止できるだけでなく睡眠の質を上げるという点でも良いようです。
▲ 参照:寝苦しい・寝付きづらい夜に活用したい! 睡眠の質をアップさせるエアコンの使い方(Panasonic)
▼ 肌に当たる面積が小さい鼻ピロー
2、目が乾く、充血する
私の場合、まず悩まされたのは、目の乾燥や充血でした。
これは、特にフルフェイスタイプのマスク使用時によく起こるようです。
マスク上部から目の方へ空気が漏れる(リーク)ことで、目が乾燥したり充血したりするんですね。
空気漏れの原因の多くは、マスクの装着がうまくできていないこと、マスクのサイズや鼻筋部分の形状が合っていないことが多いようです。
装着方法を再確認しても空気漏れが治らないようなら、サイズを変えるか、マスクのタイプを変えてみるのもおすすめ。
私の場合、目の方向への空気漏れの心配がない鼻ピロータイプに変えることで問題が解決しました。
空気が漏れるからといって締め付けを強くすると、次の日の朝、ヘッドギアの跡が肌に残るだけでなく、肌へ負担も大きいので、締めすぎは絶対にNGです!
なお、空気漏れ(リーク)は、目の乾燥や充血だけでなく、圧が下がり、思うような治療効果が得られない原因にもなります。空気漏れに気付いたらすぐに対処した方が良いでしょう。
3、口が乾燥する
口の乾燥は、鼻炎や花粉症などで鼻が詰まって口呼吸になってしまう方によくあるお悩みです。
鼻炎や花粉症の場合は、耳鼻科の医師に相談して症状をコントロールしましょう。
花粉が飛散し始める前から、なるべく早めに対処するのがおすすめです。
また、空気清浄機などで寝室の空気をきれいに保ったり、専用の微細フィルターをCPAP装置に取り付けたりするのも有効です。
フィルターのストックは大丈夫ですか?
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どうしても鼻詰まりで口呼吸になる場合は、フルフェイスマスクを使用し、CPAP用の加温加湿器を併用すれば、かなり口の渇きは緩和されるはずです。
なお、鼻が詰まっていないのに口呼吸になってしまう場合は、鼻から吸気するタイプのマスクを使用し、口が開かないようにいびき防止用ヘッドギアや口テープを試してみると良いですよ。
鼻吸気用のマスクを付けているのに口呼吸をしているとCPAPの効果がなくなってしまうので、口呼吸には要注意です!
4、鼻が乾燥する
空気が冷たく乾燥する冬に起こりがちなのが、CPAPの使用に起因する鼻腔内の乾燥や炎症。鼻腔が乾燥すると、鼻腔を保護しようと粘液が分泌され、それが鼻詰まりの原因となることもあります。
解決法としては、点鼻薬の使用、寝室の湿度と室温の調整、CPAP用加温加湿器の活用の3つがあります。
すでにCPAP用の加温加湿器を使っている場合は、設定温度を高くしてみたり、加温チューブやチューブに断熱カバーをつけたりすると症状が緩和されることがあります。
鼻腔が荒れていると感染症にかかりやすくなるので、鼻の乾燥には早めに対処しましょう。
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5、鼻腔内が痛い
鼻ピローは軽くて小さくておすすめなのですが、鼻の穴が痛くなることがあります。
これは、プロングと呼ばれる鼻ピローの鼻孔に挿入する部分が大きすぎることが原因で起こることがほとんどです。
鼻ピローには大、中、小の3サイズのプロングが存在しますが、私はいろいろ試した結果、「小さいかな?」と感じるくらいのサイズに落ち着きました。
あと、これも私が実践している方法なのですが、鼻ピローとネーザルマスクを日によって交互に使うのもおすすめ。こうすると、鼻腔内の皮膚が痛みにくいのか、トラブルが起きにくいと感じます。
メーカーによっては、鼻に差し込まないタイプの鼻ピローという選択肢もあります。
これなら、顔とギアの接着面が最小限に抑えられ、さらに鼻の穴も痛まないですね。
▼ 鼻に差し込まないタイプの鼻ピロー
6、お腹が張る
膨満感で目が覚める、げっぷやおならが増えた、というお悩みもよく聞きます。
これは、CPAP使用中、無意識のうちに空気を飲み込んでいるために起こります。
理由はさまざまですが、CPAPの圧が合ってないことや鼻詰まりなどが原因として考えられるそうです。
CPAPの圧を自分で変更することはおすすめできません。医師に相談してみましょう。
また、鼻詰まりに関しても、耳鼻科などに相談すると良いでしょう。
それ以外では、ベッドで横になったときに上半身の角度が30~40度になるように三角枕(ウェッジピロー)で調整する方法もあります。この角度だと空気を飲み込みにくくなるそうです。
7、耳鳴り
意外に多いのが耳周りの不快感。耳と鼻はつながっているため、CPAPの圧によって空気が耳に抜けて不快に感じることがあります。
CPAPの圧を調整すると解決することがあるので、まずは処方通りの圧になっているか確認し、処方通りになのにもかかわらず症状が続く場合は医師に相談してみましょう。
まとめ
以上、CPAPビギナーによくあるお悩みについて見てきました。
まとめると、次の4つがお悩み解決のために非常に重要だといえるでしょう。
せっかくCPAPの治療を始めたものの、いろんな悩みが解決できず半年程度で止める方も多いそうです。
確かにCPAP治療を開始してすぐはトラブルもありますが、続けると体も心も軽くなります!
少しでもストレスの少ないCPAP睡眠を実現できるよう、これからもいろんなツールやアイデアをご紹介していきますね!
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【参考資料】
Top 6 Most Common CPAP Side Effects and How to Fix Them(cpap.com、英語)
7 Most Common CPAP Machine Side Effects (and Ways to Avoid Them)(CPAP Supplies、英語)
『CPAP療法のよくある質問(Q&A)』(フィリップス・レスピロニクス合同会社)