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睡眠時無呼吸症候群CPAPマスク選びのポイント‐寝相やライフスタイル別に

CPAPビギナーの方が一番悩むのが「どのマスクにするか?」という問題。

ある調査によると、合わないマスクを使うことで、CPAPの治療効果が下がるだけでなく、CPAPの治療を止めてしまう患者さんも多いそうです。8~15%の患者さんが一晩でCPAPの使用をあきらめるというデータもあるそうで、いかにマスク選びが大切かが分かりますね。

マスクが合わないと、かぶれたり、リーク(空気漏れ)で目が痛くなったりと、ツライことづくめ。いやになるのも当たり前です。

とはいえ、マスクの種類にもいろいろあって選ぶのは大変!

そこで、今回はマスクの種類とそれぞれの特徴をご紹介するとともに、寝相、お悩みやライフスタイル別に、こういうマスクが使いやすいですよ、というマスクを選ぶためのポイントをまとめてみました。

かかりつけの医師にもご相談いただきつつ、マスク選びの際の参考にしていただければと思います。

はじめに‐「呼吸は鼻から」が基本

マスクの説明の前にお伝えしたいのが、CPAP治療の第一選択肢は「鼻から呼吸するマスク」ということ。

口呼吸はデメリットが多いので、CPAP治療でも鼻から呼吸するタイプのマスクが推奨されています。

口からも呼吸するフルフェイスマスクもありますが、こちらは鼻づまりなどで鼻呼吸ができない方向けです。

鼻づまりがなくても就寝中に口が開いてしまい空気が漏れてしまう方もいらっしゃいます。その場合、鼻で呼吸するタイプのマスクと、チンストラップ(口を閉じるためのあごサポーター)や口呼吸防止テープなどとの併用が推奨されています。

CPAPのマスクは3種類

CPAPのマスク① 鼻マスク

鼻だけを覆うタイプのマスクです。「ネーザルマスク」とも呼ばれています。

CPAP治療で最も一般的なタイプのマスクです。

鼻マスクは、鼻の頭から鼻の穴までを覆うタイプが多かったのですが、最近では鼻の穴だけを覆う非常に小さいタイプも開発され、ますます使いやすくなってきています。

◆鼻マスクはこんな方におすすめ
・鼻呼吸が可能な方

◆鼻マスクの良い点
・小さくて、かつ安定感がある
・肌に当たる面積が小さく、かぶれにくい

◆鼻マスクの注意点
・鼻の頭も覆うタイプは鼻筋の形状が合わずに痛みが生じることがある
・鼻づまりがある方、口が開いてしまう方には適さない

CPAPのマスク② 鼻ピローマスク

鼻の穴に差し込んで使う、最も小さく軽いタイプのマスクです。


◆鼻ピローはこんな方におすすめ
・鼻呼吸が可能な方

◆鼻ピローの良い点
・肌に当たる面積が最も少なく、かぶれる心配もほとんどない

◆鼻ピローの注意点
・鼻腔内に痛みやかぶれが生じることがある
・高めの圧力設定が必要な場合には向かない
・鼻づまりがある方、口が開いてしまう方には適さない

CPAPのマスク③ フルフェイスマスク

口と鼻、両方覆うタイプのマスクです。

口と鼻を一つのマスクで覆っているので、口呼吸と鼻呼吸両方に対応できます。

就寝中は自律神経の関係で鼻の粘膜が膨張しやすいため、寝ている間だけ鼻づまりになる「かくれ鼻づまり」のような方にはフルフェイスマスクが最適の選択肢となります。

「大きくてかさばるマスク」というイメージでしたが、最近では鼻の下から口周りを覆うだけの小さいタイプも登場し始めています。

◆フルフェイスマスクはこんな方におすすめ
・鼻づまりがある方や、就寝中に口呼吸になってしまう方

◆フルフェイスマスクの良い点
・口と鼻両方で呼吸できる
・高圧設定にも耐えられる。

◆フルフェイスマスクの注意点
・大きめ、重め、かさばるタイプが多い
・肌に当たる面積が大きめ
・鼻を覆うタイプは鼻筋の形状が合わずに痛みが生じることがある
・鼻マスクに比べるとリーク(空気漏れ)が生じやすい
・価格が少し高め

【CPAPマスク 3タイプの比較表】

ライフスタイルや寝相に合わせたマスク選びのポイント

以上、3種類のCPAPマスクの特徴についてご説明しました。

次は、ライフスタイルや寝相、お悩みに合わせたマスクの選び方のポイントについて解説していきますね。

①よく寝返りを打つ

寝返りの際、チューブが邪魔になったり、マスクが取れそうになったりしますよね。

そんな方におすすめなのが、以下のようなマスクです。

◆頭頂部でチューブと接続するタイプ
おすすめポイントは、CPAP装置をベッドの頭の方に設置すれば、寝返りの際にチューブが邪魔にならないこと。顔の周りにチューブがないのでわずらわしさもかなり軽減されます。

注意点は、空気を通すために頬に当たる部分がシリコン製になっていること。シリコンでかぶれやすい方は、涼しい時期だけ使うなどといった工夫が必要かもしれません。

鼻マスク

▽ フルフェイスマスク

◆チューブが柔らかいタイプ
チューブの素材が柔らかくて耐久性に優れているので、ある程度自由にゴロゴロできます。また、ヘッドギアも伸縮性があって充分なサポート力があります。



▽鼻ピローマスク

②横向きやうつ伏せで寝る

私の場合、長時間仰向けで寝ていると腰が痛くなるので、朝気づくと横向きになっていることが多いです。また睡眠時無呼吸症候群には横向き寝の方が仰向け寝よりも気道が潰れにくいので良いともいわれています。

しかし、横向きやうつ伏せで寝ると、ヘッドギアが当たる頬などにくっきり跡がついてなかなか消えなかったり、枕とぶつかってマスクがずれたりと大変ですよね。

そういう方には、マスクやヘッドギアがなるべく小さい以下のようなものがおすすめ。

▽ 鼻マスク

▽鼻ピローマスク

③就寝前にTVを見る/読書をする

CPAPマスクを装着した状態で、寝落ちするまで本を読んだりテレビを見たりしたい!
でも、ヘッドギアが眼鏡や老眼鏡の邪魔になる……。

そういう方は、耳周辺のヘッドギアの構造がシンプルで、おでこにヘッドギアがないタイプがおすすめ。おでこにギアがあると、視界が遮られるし、眼鏡がぶつかったりして邪魔なのです。

最近ではフルフェイスマスクでもおでこにヘッドギアがないタイプが増えてきて、選択肢もたくさんあります。

▽鼻マスク

▽フルフェイスマスク

④音が気になって眠れない

同じ部屋で寝ているパートナーがいる場合、少しでも静かなマスクを選びたいですよね。

CPAPの音には、CPAP装置本体からの音もありますが、マスクから生じる音もあります。CPAPのマスクには吐く息を排出するための「呼気ポート」があり、そこから音が生じます。

メーカー各社は静かなマスクを開発しようと努力していますが、特に以下のマスクは音が静かなことで定評があります。

▽鼻マスク


▽鼻ピローマスク

▽フルフェイスマスク

⑤マスクかぶれで悩んでいる

汗をかく夏はマスクかぶれで悩む方が多いです。

CPAPマスクはシリコン製が多いのですが、シリコンは水分を通さないのでどうしても肌がかぶれやすくなります。

私が個人的にしているマスクかぶれ対策は次の2点。

1、肌に当たるシリコンの面積がなるべく小さいマスクを選ぶ
2、2種類のマスクを1日おきに使う

特に夏の間は、以下の鼻マスクと鼻ピローマスクを1日おきに交互に使っています。
シリコンが当たる場所が毎日変わるだけで、かぶれにくいように感じます。

▽鼻ピローマスク

⑥女性など顔が小さめの方

最近、女性からのお問合せも増えてきました。
よくいただく質問が、「女性用の小さめのCPAPマスクはありますか?」というものなのですが……ございます!

例えば、エアーフィットP10やエアーフィットN10には、女性用のラインがあります。

女性用はヘッドギアが短めに作られているほか、鼻ピロータイプのP10は、鼻に差し込むパーツがXSサイズから用意されています(一般向けはSサイズから)。

女性だけでなく、頭や顔が小さめの男性にもお使いいただけます。

こちらの女性用のCPAPマスクはウェブサイトには掲載していませんが、お見積りいたしますので、お気軽にお問合せください!

【寝相やお悩み別 CPAPマスク選びのコツ】

シーパップで多くの方が経験する副作用

一般的にシーパップ治療において重篤な副作用はありませんが、マスクが合わず皮膚のかぶれや空気漏れによる不快感を経験する方がいます。 マスクの形やタイプを変更する事で大きく改善出きる事があります。

さいごに

CPAP治療が成功するかどうかはマスク選びにあり」といえるほど、マスク選びは重要です。

今回の記事をご参考にかかりつけの医師とご相談いただくことで、みなさんがぴったりのマスクと巡り合えたらうれしいです。

CPAPマスクの技術はどんどん進化して、使いやすくなっています。
CPAP LABでは、今後も最新のマスクをご紹介していきますので、お楽しみに!

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