![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136575880/rectangle_large_type_2_36ff8a0a5a4970d1e4c145ffb0915ebe.png?width=1200)
手続編【社会人独学】なるべく費用をかけずに早くUSCPAに受かる方法
続編となる勉強編は下記から。
2024/10/24更新:9,357文字
▫️価格改定
2024/10/24:100円→150円
2025/01/27:150円→200円
1. USCPAの手続外観
-1. 全体スケジュール
202x年3月:英文成績書をPDF取得
同年3月:各予備校で単位状況確認
同年3月:英文成績書・卒業証明書を郵送取得(厳封)
同年4月:パスポート新規発行・受取
同年4月:学歴評価依頼(厳封書類をEMSで米国へ郵送)
同年6月:受験資格審査の申請
同年8月:全教科出願
同年10-12月:必須3科目受験
同年10月:選択1科目(BAR)受験
-2. 出願行程が複雑な背景
少し前置きのお話を。日本の資格試験であれば基本的に出願、受験、合格発表の3ステップで完結しますが、USCPAは海外の資格試験ということもあり、出願の行程が少し複雑で初見ではハードルが高いように思います。
予備校もいずれのUSCPAの資格推奨者も当たり前のように、学歴評価依頼や受験資格審査というワードを前置きなく使うため、そういったUSCPAに関する前提知識がない方にとっては、なぜこの行程が必要なのかが分かりにくいようにも思います。
かいつまんで説明すると、これらのプロセスでは「受験者が出願を行える状態にあるか」を客観的に把握するために、当該受験者の下記情報を確認しています。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159219279/picture_pc_72c381aa54234aa84ce036dc1ecb4033.png)
①出願希望州(アラスカやワシントンなど州ごとに要件が異なる)
②大学での単位取得状況(①の要件にあった単位を保有しているか)
③単位取得状況の証明(②が適切な第三者によって証明されたものか)
通常の日本の資格試験ではこれらを一つの窓口で対応できるため簡略されていますが、USCPAでは複数の窓口を活用する必要があるため、それが複雑な行程になっている背景といえます。
ことUSCPA受験だけでいえば、いわゆる最終の窓口となるのはNASBA(National Association of State Board of Accountancy)ですが、日本の受験者の場合は、前述の③を実施するためにNIES(NASBA International Evaluation Services)などの窓口/機関(ワシントン、ニューヨーク、アラスカ州の場合※グアムなど他出願州は異なる)を別途活用してNASBAに情報を連携してもらう必要があります。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159219510/picture_pc_421e266e733c9ac07c0148053d0b0f06.png?width=1200)
アメリカの大学を卒業した方であれば基本的に不要ですが、それ以外の大学の卒業者が彼らと同等の単位取得ができているかを判断するためにNIESなどの窓口/機関が存在しているというイメージです。
なお、私は単位取得を行なっていないため詳細はあまり詳しくないですが、単位取得を予備校経由などで別途実施した場合はNIES同様、CSUEB(Calfornia State Univ. East Bay)などの機関を別途活用してNASBAへ情報を連携する必要があります(単位取得が別途必要な場合、予備校活用はほぼ必須であり、詳細は予備校が説明してくれると思うので本記事では省略します)。
スケジュールごとに必要なTodoについては、次章以降で説明します。
2. 出願の前準備
-1. 単位状況の確認/出願州の決定
前述の通り、USCPAは受験州によって受験資格が異なるため、そもそも試験を受けること自体ができるのかをまずは確認しなければなりません。自分の場合は、大学が商学部だったのもあり会計系の単位を取得していたため、アラスカ州の受験資格がありました。
受験資格に必要な単位要件を満たしていない場合は、各予備校の提携プログラムを使うなりして、別途単位を取得する必要がありますのでご注意ください。判定に際しては、各予備校の無料診断を活用するのがおすすめです。
私は念のためアビタスとTACの2つを使いました。もしも単位が足りていなかった時、そのまま単位取得にかかるコストの見積もりも送ってくれるので、その後の比較検討以降のプロセスもスムーズかと思います。
最後まで検討した結果断念しましたが、もし自分が予備校を活用するならば、USCPAの合格者実績が多く日本語テキストも充実しているアビタスか、Beckerという最強のTest bankサービスと提携しているTACかの、2択から選んでいたと思います。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136662206/picture_pc_775c753ba94fd1de59b3b3e1edd9128a.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136662207/picture_pc_f9264e7b81a4faa1dfdeb7371acdf25f.png?width=1200)
単位診断においては、大学の英文成績証明書のpdfが必要になるので、こちらは先んじて取得しておきましょう。後続のプロセスも踏まえると、紙面の英文成績証明書と英文卒業証明書(いずれも厳封*)も合わせてとっておくと良いです。*後の学歴評価依頼では、証明書提出時に厳封であることが求められます。
厳封して郵送してもらう証明書については、取得年が学歴評価依頼時の年と一致していることを推奨する予備校もあるので、なるべく間を空けないように取得は計画をもって行いましょう。
-2. 学歴評価依頼
単位状況を確認し、それによって出願州が確定すれば、続いて学歴評価依頼の手続きを行います。先の章では予備校で簡易的に単位確認をしてもらいましたが、今回はそれを実際の審査機関に確認してもらうことになります。
その上で事前に準備が必要な書類は下記3つ。
英文成績証明書(厳封)
英文卒業証明書(厳封)
パスポート(pdfや画像)
英文成績証明書と英文卒業証明書については先の説明の通り、厳封で未開封の証明書を大学から事前に取り寄せておきましょう。パスポートについては、私のように申請時に未保有の方は新規取得が必要になりますし、保有者の方でも期限間際の場合はタイミングによって更新も必要となるため、余裕をもって準備を進めておきましょう。
【参考】パスポートの取得について
基本的に新規取得の場合は窓口で直接申請する必要があり(平日の午前8時45分から午後5時00分※近所の例)、受取は後日となり大体7日前後かかります。自分の近所では、受取に関しては日曜も可能で、3月下旬に申請したところ申請日を含め平日6営業日後に受取ができました。
なお、パスポートの新規取得申請には、戸籍謄本が必要なのでそこも注意が必要です。最近の改正により、広域交付(本籍地の県外にある役所での取得)ができるようになりましたが、それでも待ち時間は1-2時間を要することがあるので、土日休みの人にとってはスケジュールの調整など前もって計画が必要です。
これらの書類を準備した上で、次に申請機関でのアカウント作成と申請手続を実施します。
決済も絡むためご自身で正確な情報を調べたうえで実施していただきたいのと、ネットを検索すれば他の方の記事が既にあり車輪の再開発になってしまうため、下記URL以後の詳細な説明は割愛しますが、概要としては下記URLでNASBA(CPA受験の大元の機関)に対して必要な情報を入力し、学歴評価手続の費用$225(価格改定や州によっても異なる場合あり※レート150円で33,750円程度)を支払い、その上でNIES(学歴証明をしてくれる窓口)に先の書類一式を郵送することで、学歴評価が行われるという流れになります。
米国への郵送はEMS(国際スピード郵便)を使って行うことになりますが、外国へ郵送を実施したことがない方にとってはあまり馴染みのない手続きとなりますが、郵便局の窓口の方に確認すれば発送方法自体はそこまで難しくないと思います。
参考に郵送先の住所を掲載しますが、こちらも情報の正確性は都度ご確認いただけると幸いです(私の出願時の情報からアップデートされ、出願先が変わっている可能性などもあるため)。
宛先:NASBA - International Evaluation Services
住所:150 4th Ave. N., Suite 850 Nashville, TN 37219-2417
TEL:1-855-468-5382
Email:nies@nasba.org
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159216636/picture_pc_9bb37082ee7b2fa43f4c1128d62066df.png?width=1200)
EMSの発送に際しては、誤った住所に到着したり差し戻りされたりするのを避けるためにも、ゆうプリタッチの活用をお勧めします。私のように字が汚い人にとっては、手書きで宛先等を書くのは不安かつ苦行かと思いますが、ゆうプリタッチを使えばスマホで事前に入力した送り状を作成することができます。
書類提出後審査完了までは一定の期間を要しますが、私の場合は下記のような間隔で審査が実施され、4/5の申請・EMS発送から約38日後の5/13に評価が完了しました(予備校などでは学歴評価全体で約3ヶ月程度かかると言及していることが多いように思います)。
申請書類がスムーズに受理されるか否か、その時の混雑状況などによって実際の手続完了の日にちは多少前後しますので、受験スケジュールから逆算して余裕を持って対応されることをお勧めします。
また、手続きの過程で様々なメールが届くので、ちゃんと手続きが実施されているのか心配になるかと思いますので、下記括弧内には受領メールの件名を記載していますので、一つのサンプルとして参考にしていただければ幸いです。
202X/3/25:NASBAへの支払(NIES Evaluation Application Payment)
★202X/4/5:NIESへの学歴評価依頼申請
★202X/4/5:NIESへの申請書類EMS発送※
202X/4/5:NIESからの”申請受領”報告(Evaluation Application)
202X/4/5:NIESからの”ID受領”報告(Query watch report:Copy of ID uploaded)
202X/4/5:NIESからの”評価開始”報告(Query watch report:Education Eval Started)
202X/4/6: 申請書類EMSの国際交換局発
202X/4/8: 申請書類EMSの国際交換局着
202X/4/9: 申請書類EMSの税関から受領
★202X/4/10: NIESへの申請書類EMS到着
202X/4/11:NIESからの”パスポートのコピー受領”報告(Application Activity:NIES NASBA International Evaluation Services Website)
202X/4/27:NIESからの”評価レポート作成完了→品質保証チームへの送信完了”報告(Query watch report:Eval Review Auto Email)
202X/5/13:NIESからの”ファイル添付”報告(NASBA International Evaluation Services application notification)
★202X/5/13:NIESからの”ステータス変更”報告(Application Activity:NIES NASBA International Evaluation Services Website)
202X/5/14:NIESからの”評価完了”報告(Query watch report:Evaluation Complete)
なお、次ステップの受験資格審査依頼は、最後のNIESからの評価完了報告前にWebsite上でステータス変更が行われた時点で実施できるかと思いますので、通知をもらった段階で早速手続を進めていきましょう。
-3. 受験資格審査依頼
前章まででNIES経由で学歴評価(米国大学同等の単位認定の証明)が実施されれば、実際にNASBAに対して受験資格審査を依頼することができます。大枠の流れとしては、①下記URLでNASBAの”CPAportal”アカウントを作成し(サインアップ)、②CPAportalのApply Onlineから必要な情報を入力、③同サイト上で受験資格審査料$115(※レート150円で17,250円程度)を支払うことで審査が開始します。
学歴評価審査同様、②の必要な情報入力は他の方々の記事を参考に一つ一つ調べながら回答記入していけば問題なく完了できるかと思います(割と分量が多いので、その点はご注意ください)。
受験資格審査の実際のスケジュールは下記の通りで、学歴評価審査と比べて全く間のメールが来ないのでこれまた不安になりますが、5/13の申請・支払から約28日後の6/8に審査完了の報告がありました。こちらも審査完了までの期間は波があると言われていますので、あくまで参考程度にご確認ください(予備校などでは約1.5~2ヶ月程度かかると言及されている印象です)。
202X/5/13:CPAportalのアカウント作成(NASBA - Registration Activation)
★202X/5/13:NASBAへの受験資格審査申請・支払
★202X/6/8:NASBAからの”受験資格審査完了”報告(CPA Examination Notice to Schedule (NTS) Notification)
3. 出願と受験戦略
-1. 出願の手続
出願の手続は、受験資格審査申請時と同様にCPAportal上から行うことができます。審査完了後に同サイトへログインすると、新たに「Apply Now」ボタンが出現しているかと思いますので、あとは指示にしたがって必要な項目を入力し、受験料$357.8+390(アラスカ州の場合※レート150円で112,170円程度)を支払うことで出願が行えるかと思います。
決済完了後、数分程度すればNTS(Notice to Schedule)と呼ばれる受験票のようなものが発行されます。NTSは受験当日も持参が必要になりますので、印刷しておくかスマホにPDFとして保存して試験当日に提示できるようにしておきましょう(昔はスマホでの提示はNGでしたが、現在はスマホ提示で問題ありません)。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159216387/picture_pc_c8d07aa56f6bbd23ee2bb4f311ae7c1c.png?width=1200)
少し先の話になりますが、東京のプロメトリックセンターでの受験時は、受付でそのNTSを提示し待合室へ移動。待合室のロッカーで荷物を預けることになるのですがそこでスマホだけは手に持っておく(ロッカーにスマホは預けておくようにと書いているので最初はかなり戸惑います)。試験の方が来た際に、鉛筆とメモ用紙を渡されるのでそこにNTSに記載されているLaunch Code(Password)を記入。試験時にはそのCode=7桁程度の数字をPCに入力することで試験を開始できるというようなイメージです。
後述しますが、NTSは各教科ごとに発行が必要であり、各NTSごとに発行日から6ヶ月後を目安として期限日(Latest You Can Take The Exam)が記載されており、その日までに大阪or東京のプロメトリックセンターでの受験が必要になります。
-2. おすすめの受験科目の順番
学習範囲等の観点から、必須科目(FAR→AUD→BEG)→選択科目(筆者はBARを選択)の順で受験することを推奨される例もありますが、私のようにせっかちな方であれば、合格発表日(スコアリリース日)をベースもとにして、物理的に早く受けられる科目を軸に順番を決めるのも一つです。
個人的におすすめの受験科目の順番は、FAR→BAR→BEG→AUDです。色々な方がこの手の順番を考察されていますが、集約すると下記3つの観点を総合的に考慮して選ぶのが良いかと思います。
学習効率の観点
→論点の重複:似た論点はセットで学んだ方が効率的(FARとBARは論点が一番重複しているとされる)
→前提知識の習得:FARの知識は他の科目の前提となりやすい(知らないとイメージがつきにくいため効率が落ちる)科目合格有効期限の観点
→初回合格から18ヶ月程度のため、勉強時間が一番かかる科目*を初回にした方がリスクが低い可能性がある
*一般的にはFARが一番時間がかかるとされる精神的余裕確保の観点
→大変な科目*を、最初・中間・最後のどこに持ってくると精神的に安心しやすいか(筆者の場合は、最初と最後に大変な科目が来た方が精神的に楽)
*一般的にはFARとAUDが大変とされる
1よりFARとBARはセット、2よりFARが一番最初、3よりFARとAUDを最初と最後、以上の条件設定を行うと必然的FAR→BAR→BEG→AUDの順番になるかと思います。
4. やりがちな失敗とお勧めのNTS発行時期
ここまでで実際の出願までの流れと、おすすめの受験科目の流れを説明してきましたが、筆者自身がNTS発行で後悔した失敗点とその対策としてのおすすめの受験戦略を紹介して結びとさせていただきます。
まず、結論から。やりがちな失敗というのは、NTSをいきなり全科目発行してしまうことです。長い手続を終え、その後の受験への焦りや自分への追い込みも兼ねて、筆者自身は受験資格審査が完了したあとすぐに、4教科すべて発行してしまいましたが、これが振り返ってみると失敗でした。
勿論私のようにせっかちな人間ばかりではないかと思いますが、逆に1科目ずつ着実にいきすぎてもかえって追い込みが効かないともいえ、最初は実際に必要な勉強日数やリスケジュールの観点などがあまり掴めないはずなので、NTSをどのように発行していくべきかは初見だとかなり戸惑うかと思います。そこで筆者がお勧めするのは下記のような流れです。
ここから先は
¥ 200
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?