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【2023年5月】先月の市場振り返り。3月の勢いを受けて4月は!?

このNoteの目的

マーケットデータは日々更新されていき、イベントも次々と起きていくため、起きる事象を一つ一つ追っていくとどうしてもニュースが伝える温度感の影響を受けてしまって、直近起きた事象に過度な重みづけをした現状認識をしてしまいかねないため、毎月の定点観測を記録することで定期的に市場をみる視点をリフレッシュさせることを目的に毎月更新します。

ニュースをみて過度に悲観・楽観に寄ってしまっていないか、直近数ヶ月のNoteを見返して平静さを取り戻せるように意図しています。

米国株セクター別騰落率

4月は3月と打って変わって小幅な動きとなりました。
強いて言うならヘルスケアや生活必需品株が上がっており、若干ディフェンシブな動きだったというところ。ただ、3月弱かったセクターが反動で上がったとみることもでき、大きな意味は見出しにくい。

米国のセクター別騰落率をさらに詳しくみていくと、これまで調子のよかった自動車が20%も下落していることがわかります。

自動車は景気敏感なので、景気減速を示しているのか、上がり過ぎたものが落ちただけなのか様子を見ることが重要に思われます。
また、海運や航空も3月に引き続き下落していることが気になります。物流が陰ってきているようだと、経済が弱くなっている兆候かもしれない。

全世界の国別騰落率

4月の世界各国の国別騰落率
国別の株式市場をみると数で言えば上がっている国が多いのが特徴。

一方で、中国、台湾など地政学リスクが意識される国は弱い状況が続いている。中国はフルコロナになって景気回復が期待され、GDPも予想を超えた数値が公表されているのに株価は全くさえない

中国が市場から無視されているかのような動きをしている点が興味深い。経済回復がうまくいかないと見られているのか地政学リスクを重視しているのか、いずれにしても中国株人気は低い状況が続いていると言えそうです。

新興国株のバリュエーションは先進国に比べてかなり低くなっており、買いたい気持ちが沸き上がってきますが、米国株が下がるときは新興国株はより大きく下がるのが通例なので、新興国株への投資は米国株が下げ切った時点からかと思っています。

米国債のイールドカーブ

4月はイールドカーブの形状に大きな変化はありません。逆イールドは長期でも短期でも発生しているので、経済にブレーキをかけている最中であることは間違いないけれど、ブレーキをかけてすぐに止まるわけではないので、いつブレーキの効果が出てくるかが重要なポイント。

現在は短い期間においても逆イールドが起きている状況で、銀行の収益体質が悪化していくことを示唆しています。

金利水準自体は銀行の信用不安で軒並み下がっているのも特徴

改めて1年前と比べるとこの1年がいかに激動だったかがわかります

コモディティ騰落率

3月のコモディティ騰落率

エネルギーが引き続き落ちており、金利や貸出態度でブレーキがかかっている現在の状況からどうしても世界景気悪化の予兆を疑ってしまう状況。一方で砂糖やオレンジジュースが上昇していて、小麦は大きく下落するなど食料はボラティリティが高い。

ビットコインも年初来で+80%と物凄い上昇を見せている。ゴールド、シルバーは堅調だが、上昇本番は金利が低下し始めてからなので、あまり大きく上昇が期待できる状況ではない。

基本的に景気にブレーキがかかる時期なので、貴金属が強くなっていく素地があるとは考えていますが、定期的に状況を確認してストーリ―と違う動きをしていないか確認をしていくことが大事だと思います。

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