新人会計士が学んだことその2〜確認状の差異調整〜
お疲れ様です。
闘うです。
第2弾ということで、確認状の差異調整についてまとめてみようと思います。5月の会社法クライアントの監査手続をしていたときに、マネジャーの取り計らいにより1件だけ確認差異の手続きを任せてくれました。当然勝手がわからず沼にハマりました(どんだけ俺は沼にハマっているんだ笑)。今回は、サンプルの抽出と差異発生時の手続に触れようと思います。サンプル抽出の件は、説明不能な差異が生じた時の取り扱いに関連します。
1.サンプルの抽出方法と差異が発生した時の扱い
確認状のサンプル抽出方法には
①サンプリングによる試査
②特定項目抽出による試査
の2種類があります(こちらは監査論でも学んだかと思います。)。
2つの方法の相違する点としては、差異が発生した時の扱いが特徴的だと思います。
サンプリングの試査の場合は、詰めきれなかった、会社側の説明が妥当ではない差異をもとに母集団の虚偽表示額を推定します。他に例外的な虚偽表示を足し合わせて母集団における虚偽表示にかかる最善の見積りとし、許容虚偽表示額と比較して母集団全体に対する結論を出します。
(虚偽表示の推定額+例外的な虚偽表示)≦許容虚偽表示額
となれば、基本的に確認の手続としてはOKです。
特定項目の場合は母集団の推定はしません。いや、できません。なぜなら特定項目抽出により決定されたサンプルは、母集団の特性を表しておらず推定自体が不可能なためです。なので、特定項目抽出の場合は発送対象とならなかった残余母集団に対する監査手続が重要性に応じて必要になる場合があります(特定項目抽出によりサンプルを決定した際特有の話だと思います)。そこは勘定が重要か否かなどによって手続のレベル感は変化するでしょう。
私が遭遇した事例ですが、あまりにも僅少な金額は追わずに母集団の虚偽表示の推定に組み込んでいました(推定値も許容値よりだいぶ小さくなるから効率とかを考えて追わないのでしょう)。
※本来なら確認の手続は、発送する項目の決定やクライアントと発送のスケジュールをMTGで擦り合わせたり等準備の工程を踏んでいるのですが、今回は差異調整にフォーカスして記述します。
2.確認状の差異が発生した時の手続
確認状の金額は基本的に差異が発生するものと考えたほうがいいです。代表的な差異原因は
・勘定科目の入り繰り(例:先方が買掛金以外で計上している。)
・先方の検収が済んでいないため仕入債務未計上
・消費税の端数
などがあります。金融機関はまずずれないと思います。ズレるとしたら債権債務に対する確認状だと思います。
確認状は先方やクライアントの協力が必要なので、あまり積極的に対応してくれない場合監査人は苦労しますね、、、、、、それは置いておいて。
差異が発生したら、まずはじめに先方に差異の原因を調査してもらいます。
調査してもらったら、先方の主張を裏付ける証憑とともに監査人に提出してもらいます。
証憑を確認の上、先方の主張が妥当と判断できる場合、手続した金額(我々はAudit Valueと呼んでいます。)が確定します。
その上で、サンプルの抽出方法に合わせて差異を取り扱っていきます(ここで1.の話に戻ると良いでしょう)。
3.新人が任される確認状関係の仕事(想定)
新人が任される確認状関係の仕事はおそらく以下の2点かなぁと思います。
・回収管理
・確認状のリファレンス振り。
最近はBGが普及してきていますが、モノによっては紙で発送するものもあるので回収状況の把握を任されると思います。
リファレンス振りは、調書にある売掛金明細(発送対象の社名、金額など記載しているページ)に飛ばしてあげます。リファレンスについては私のnoteのその1を確認して欲しいです。リファレンスの飛ばし方、理屈がわかります。
4.終わりに
正直なところ私はまだまだ未熟なので考慮すべき事項が漏れていたらすみません。ですが大まかな流れはかけたのではないかと思います。