僕とTさん日記(1)
Tさんとの出会いは、2021年の夏の終わり。
バンド練習までに時間があったので、電気街をぷらぷらしていた。
夏の終わりと言っても、まだ暑い日が続いていたから、少し、涼ませてもらうと、周りを見渡すと、高級オーディオ機材が並ぶショーウィンドウが見えた。
私なんぞ、場違いとは思いつつ、まあ、年齢もそこそこ行ってしまったし、若い頃と違って、そういうところに足を踏み入れても悪くは無いだろうと、お店に入ってみた。
見た事もない立派な機器が陳列してあって、少年時代、ステレオを買ってもらえなかった自分としては、VUメーターや、つまみの数々、重厚なデザインがキラキラと輝いて見えた。
お店のカウンターには、少しなで肩のそして、立ったら、意外と背の高い方が座ってらした。
こんな機材で聞いたらなら一体どんな音がするのだろうかなと思い眺めていた。
でも、せっかくだからと、店員さんにお話を伺ってみることにした。
<脱線>
オーディオというと、少年時代は、ナショナル:4wayスピーカーラジカセNational RX-5090に随分とお世話になった。って、ラジカセをオーディオに含めるのは、ちょっと違うと言われそうだが、裕福ではなかった少年時代に、本当は、モノラルスピーカーのラジカセにしろと言われながら、比較試聴した結果、音の広がりと、LEDメーターの動きがとても魅力で、何度も、おねだりして、やっと親父に買ってもらった最高のオーディオだった。
それで、当時は、レンタルレコード屋にいってレコード借り、カセットテープを買って、ステレオセットを持っている友人宅に行き、お願いして、録音してもらって、テープを聞いていた。
たまには、息を殺しながらテレビ放送の音をエアーで録音したり。。
そんなもんだったから、大学4年の時に、バイトして、友人の先輩からとても安くで譲り受けたTechnics SU-V8を手にして、ガリがあったり、トグルスイッチが錆びていたりと状態は良くなかったが、自分にとっては、とても嬉しかった。
私がまともに買ったオーディオは、2000年あたりになる。
スピーカー:ONKYO monitor 900
プリアンプ:Technics SU-C1010 Ver3.0
パワーアンプ:Technics SE-E1010 Ver3.0
DVD-Audio Player:Technics DVD ~A10
悩みは、実は、monitor 900がなかなかの手強いスピーカーだったということ。
元々、このスピーカーを購入する前は、DENON PRESTAシリーズを購入しスピーカーもDENON SC-E757だったのだが、どうにもうまく鳴らせなくて、半年も経たないうちに、ONKYO monitor 900を買ったのだが、これもうまく鳴らせないという状態だった。沼の入り口だった。結局、それで、テクニクスの1010シリーズで一旦は落ち着いただったが、それでも、低音の出方に不満を抱えていた。
<脱線終わり>
店員さんに相談したのは、
「今、こんなシステムを使っていて、実は、低音がうまく出ないんですよー。」
だった。
(続く)