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【読書メモ#28】父が娘に語る美しく、深く、壮大でとんでもなくわかりやすい経済の話 ヤニス・バルファキス ダイヤモンド社

「人は地球のウィルスか?」


ウィルスという言葉に敏感な今。
※2020年5月メモです。

著者は、映画「マトリックス」のレトリックを使いながら、マトリックス(仮想現実)のなかで機械からの支配から逃れる人間を追跡するエージェント・スミスの以下の言葉を使い問いかける。

「知っているか?この地球の哺乳類はどれも環境と調和し、自然と均衡していくもんだ。それなのにお前ら人間ってやつはそうしない。・・・・・じつ他に同じパターンの奴らが他にいる。誰だか知ってるか?    ウィルスだよ。」
「人間は、この地球悪い病気、ガンなんだよ。お前ら疫病だ。俺達(機械)がそれを治療してるんだよ」

今後、社会はより環境も交換価値にしながら適応する経済に移行するべき(CO2排出権など)。著者はそう主張する。
農耕という自然との協調・調和から始まった経済社会。
より環境との調和をルールにした経済社会に移行するきっかけとなるだろうか。

概して当書、
市場社会、利益、借金、金融の基本原理
労働力、マネーの悪魔の住む市場
機械、自動化の影響
新たなるお金、収容所のタバコのレトリックとビットコイン
などから、社会にはなぜ格差が生まれるのかを解説し、
資本主義の構造をわかりやすい物語で説明している。

先に読んだ「純粋機械化経済」のコンパクト物語版とでもいえるだろうか。ぜひ機会あればお読みください。

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