*全文無料*「普通」とかけ離れた人生をどう受け止めどう生きるか精神科入院→不登校→無職
精神疾患という名の挫折
私はある地点までは、ごく普通の生活を送ってきた。
幼稚園では少ないながらも友達を作り、他の子と同じようにのびのびと遊んだ。
小学校では、とまどう瞬間は増えつつもクラスメートや先生に親しまれ、日々勉強に、遊びに励んだ。
人付き合いや臨機応変な対応が苦手で他の人よりも疲れやすかったり、不安感が強く生きづらさを抱える部分もあったのだけれど、それでも「普通」というレールから外れることはなかった。
小4の時、精神科に入院するまでは。
それまで成績は良かった為、なんとなく良い高校、大学に入って、良い会社に入る未来を思い描いていた。
両親も私に期待していたようで、私の未来の話しをするときはとても希望に満ちた表情をしていて幸せそうだった。
私もそういった輝かしい未来が来ることになんの疑問も持たなかったのだけれど、精神科への入院を機に人生設計は崩れていった。
最初は絶望した。
私が「日常」を失っても、他の人はこれまでと同じ日常を生きていく。
私だけが暗闇に居て、私だけが絶望して、私だけが置き去りにされていく。
正確には私だけというよりも、「私と家族」というのが正しい。
何にせよ、周囲の人々の時間がこれまで通りの速さで流れていく中、私だけが違う時間軸にいるような孤立感が辛かった。
私がいなくても、無情に世界は回っていく。
その事実が私の存在をないがしろにしているみたいで、苦しかった。
あの時の、辛さが、孤独感が、苦しさが言葉1つで表現されて通り過ぎていくことはなんだかやるせないけれど、辛いとか苦しいとかその言葉以外で表現する術を私は知らない。
それにどんな言葉だって、表現しきれないし、伝えきれないと思う。
世界から取り残されたような疎外感と、精神疾患により強調される負の感情、言うことを聞かない心身へのいら立ちと焦り。
もがいても、もがいても浮上しない、むしろ冷たく暗い水底に沈んでいくあの水中にいるような苦しさは精神疾患や挫折を経験したものにしか分からないものがあると思う。
どんどんと岸から離れ、沈んでいくような感覚が怖かった。
そんな中、急性期を脱し同じ境遇に苦しむ仲間と共に乗り越えた入院生活。
退院した時、やっと「普通」に戻れる。
そう思ったのだけれど甘かった。
トラウマも体調不良もすぐには良くならず、続く通院。
戻り切らない日常。
中学、高校では環境の変化をきっかけに、浮き彫りになった生きづらさと私の弱み。
そして不登校になった。
言うことを聞かない身体。
他の人と同じように生活できない劣等感。
両親との衝突。
周囲の無理解。
頑張っても頑張っても報われない日々。
そんな苦しみの中で自分の存在を肯定し、認めてやれるのは自分だけだった。
「こんなにも、もがき苦しみ頑張っている自分を私が認めてやらなくてどうする。」
そうして、無職の「発達障害×精神疾患持ち」という人生と自分を受け入れた。
私の生き方
私は早い段階で「普通」を手放した。
それを悔やんでも恥じてもいないし、いじけでも何でもなく素直にこの選択をして良かったと思っている。
普通に固執せず、常に自分が居心地の良い場所を求めて生きてきたからこその思い出と出会いがあった。
普通に生きてきたら見えなかった景色がそこにはあったし、これからも普通の生き方では見られない景色が見られるのだと思う。
だから私は後悔はしていないし、もう一度人生をやり直すとしても同じ道を歩むと思う。
それなのに、人々は私に言った。
「逃げるな」
「甘えるな」
「戦え」
と。
私はそういった叱咤激励を数多く受け、「私」とその人生を軽蔑し、後ろ指を指す人にも出会ってきた。
中には同情をするふりをして、興味本位で首を突っ込んでくる人もいた。
私はそういった人たちに一言言いたい。
この人生を生きてきたのは、そして生きていくのは紛れもなく私なのだ。
私はこの病気や障害と戦うことよりも「共存」を選んだ。
抗うことよりも「受容」を選んだ。
その生き方を、このしんどさも苦悩も知らない部外者にどうこう言われたり軽蔑される筋合いはない。
私は私なりに、必死にもがき苦しんで、生き抜く術を熟考してきたのだ。
精神疾患や発達障害の存在を認めようともしない人、なおも「甘えだ」と言い続ける人、理解すらする気もない人、軽蔑する人、後ろ指を指す人。
だからそういった人たちは私の人生にはいらない。
私のコミュニティには不要だ。
私は、私と私の人生を尊重し寄り添ってくれる人たちと生きていきたい。
noteひとつ取ったってそうだ。
この人生と私自身を大事にしてくれる人たちに私の文章を届けたい。
私の魂を知ってもらいたい。
人々が私を取捨選択するように、私も人を選んで生きていく。
温かい人たちと温かい人生を生きるために。
そしてこの人生を肯定し続け、前を向いて生きるために。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
よづきでした。
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