お墓参り

大好きだった祖母が亡くなって17年

苦手だった祖父が亡くなって12年

祖父母は離婚していて、お墓も別々

当時の離婚というのは、今と比べ物にならないくらい

大変で困難で、世間からの目も厳しかったんだろうと思う

祖父は再婚をしていたので、自分には祖母が三人いた

幼い頃は、それが普通だと思っていた

理由が離婚だって知ったのは、誰かに教わったでもなく

そういう物を認知した歳になったから

察しがついた

大好きだった祖母は、僕のことを心から愛してくれた

まだ学生だった僕の未来も心配してたことを覚えている

就職の話なんて一切ない物だから当然だと思う

天国に行った後も、今も、ずっと心配かけてるんだろうな

ごめんね、おばあちゃん

苦手だった祖父は、小さい頃から僕のことを「坊主」と呼んでいた

僕とは正反対で、男の中の男というか、強い人だった

戦争の軍人としての活躍した話や、仕事人としての誇り高い話

いつもウイスキーを片手に自慢げに話していた

そんな祖父も、直接は話はされなかったけど

僕の将来を案じていたようで

就職もせず、音楽の道を志していた当時は

それがとても嫌だった

祖父が危篤と病院から連絡が来ても

ライブ前のバンドの練習を優先した

自分にとって音楽がそれだけ大切な物って

履き違えていた

そのまま、祖父は天国へ旅立った

祖父が亡くなったことが、数日理解できなかった

納得できなかった

手術前まであんなに元気で

いつも通り男らしい姿をしていたから

亡くなることが信じられなかった

そして葬式で、祖父が亡くなったことに勝手に悔し涙を流した

ずっと、病院から連絡が来た時に、自分だけ会いにいかなかったことを後悔してる

ごめんなさい、おじいちゃん

二人とも、ごめんね

誇れることが今もなくて、今も心配かけてると思う

それでも

健康で元気に生きています

両親も妹も健康で、妹の子供達も健やかに育ってます

妹夫婦はとても幸せな家庭を築いてます

僕も、人生で結婚を経験することができました

僕も、妹夫婦のような幸せな家庭を築くという願いがあったけど

ダメだった

ごめんね、おじいちゃん、おばあちゃん

おれ

離婚する

でも、そんなに心配しないでね

周りの人たちは、優しくしてくれるし

とても恵まれています

感謝してもしきれないくらい

だから、僕も前を向いて

気持ち切り替えていくから

どうか暖かく見守ってください

ありがとう

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