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衰え知らずなIron Maidenが観れる2024年日本ツアー 〜豊田公演ライヴレポ

正直、強気な価格設定には戸惑っていたけど、年齢をまったく感じさせない彼らのステージに圧倒された。エネルギッシュで、パフォーマンスは圧巻。生音を浴びる感覚、これがライブだと感じた。

公演概要

  • ツアー名:The Future Past Tour

  • 会場:豊田スカイホール

  • 日付:2024年9月22日

  • 開場:17:00

  • 開演:18:00

スカイホールの会場前

セットリスト

  1. Caught Somewhere in Time

  2. Stranger in a Strange Land

  3. The Writing on the Wall

  4. Days of Future Past

  5. The Time Machine

  6. The Prisoner

  7. Death of the Celts

  8. Can I Play With Madness

  9. Heaven Can Wait

  10. Alexander the Great

  11. Fear of the Dark

  12. Iron Maiden
    Encore:

  13. Hell on Earth

  14. The Trooper

  15. Wasted Years

セットリストは他国と変化なし。『Senjutsu』から5曲というのは、アルバム完全再現していた時期に比べたらバランスが取れている印象だ。ただ、3rdの曲が少なく、2ndや5thから何もないのは寂しい。「Hallowed Be Thy Name」や「The Number of the Beast」が聴きたかった。でも、今回のツアーで新作とともに押し出された6thの曲がしっかり響いたのは良かった。やっぱり『Somewhere in Time』は名盤だ。

パフォーマンス

ブルースが出てきた瞬間、白髪のロン毛で「老けたな」と思ったけど、歌い始めたらしっかり声が出ているし、動きもキレがある。ソロの最中でも観客を煽るあの感じ、まさにバイタリティの塊。「Alexander the Great」のラストの長い締めには余裕すら感じさせた。

さらに、ブルースのパフォーマンスやギターソロ時の立ち位置、6人の立ち配置といった細部にも、NWOBHMに感銘を受けた後続バンドが影響を受けてきたことが感じられる。これらのエッセンスが昇華され、今のヘヴィメタルシーンを形作っているのだと思う。メイデンのライブはその原点を再確認させてくれる瞬間でもあった。

他のメンバーも見た目は歳を取ったが、演奏は衰えていない。ニコは72歳になっても達人レベルのバスドラで安定したビートを刻んでいたし、ハリスら弦楽器陣も力強いパフォーマンスを見せてくれた。

会場の雰囲気

当初、チケットの売れ残りを心配していたけど、会場はしっかり埋まっていて安心した。観客のノリは関西に比べるとおとなしいけど、年齢層が高いのも影響しているかもしれない。前に並んでいたおっさんたちは、自分より20歳くらい上に見えたけど、しっかり童心に返って楽しんでいるのがちょっと羨ましかった。

「The Prisoner」のセリフはみんな完璧に言えてたし、「Heaven Can Wait」や「Fear of the Dark」、「The Trooper」の大合唱は一体感がすごかった。これこそライブの醍醐味だ。

ステージ演出

パフォーマンスだけでなく、ステージのエンターテイメント性も抜群だった。花火や煙の演出は豪華で、視覚的にも興奮を煽る。特に、武者仕様になったエディが登場してメンバー(主にブルースとヤニック。この2人のエンタメ精神はライブの重要要素だ)とやり合うシーンは観客を沸かせた。どこを見ていいか迷うほどのステージ演出だった。

さらに、曲ごとに背景のスクリーンが変わり、それぞれの楽曲の世界観を映像で表現していた。新曲は特に、この演出が真価を発揮していて、楽曲の世界へと引き込んでくれた。

サウンドバランスへの苦言

ただ、サウンドバランスには少し難点があった。ギターソロが爆音すぎてリフがかき消されてしまった。「Heaven Can Wait」なんかはリフが大事な曲だから、ちゃんと聴こえてほしかった。特にエイドリアンのソロが音量大きすぎて、そこは少し残念だった。

個人的な感想

今回のツアー、「見納め」や「引退」という噂もあるけど、60代後半(ニコは72歳)の彼らのステージはエネルギッシュで、見た目以上にパフォーマンスはバッチリだった。長いブランクがあったけど、メイデンはまだまだやれる。

コロナ禍でずっとライブに行けなかったけど、久々に生音を浴びた瞬間、全てが報われた感じがした。これでライブ熱がぶり返しそうだ。

日本ツアーの価格設定はボッタクリ感がある。スタンディングが¥30,000、指定席で¥18,000、Tシャツ¥8,000。一昔前ならこの値段で何本かライブが見られた。それでも今回のメイデンは、その価格に見合う熱量だった。

関東の幼馴染に「チケ代高すぎない?」と聞いたら、「でも、観られるうちに観ておけってのはあるよね」「東京まで来る手間を考えたらそんなに高くないかも」と言われ、彼とX JAPANを東京ドームで観たときのことを思い出した。

久々に体験したエネルギッシュなパフォーマンス、メイデンには感謝したい。良い休日をありがとう。そして、今週も頑張れる気がする。後悔しない選択をして、それが確信に変わった時というのは、本当に晴れやかな気分になる。

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