ロックの日なのでロックを聴くきっかけとなったバンドを5つ選んでみた
今回は、そのバンドの音楽に触れたことが、いかに音楽ライフや人生に影響したかについて語るようなニュアンスになる。
1. X JAPAN
きっかけは高校一年生の入学時、前の方の席のクラスメイトだった。クラシック音楽オンリーで育った自分は、「あなたの好きな曲を書いてください」という音楽の授業のアンケートが悩ましかった。隣に座った彼が書いていたのは『紅』の一文字。
「Xの曲かい?」
「おぉ〜!知ってるの??」
「昔、母さんが紅白の映像見せてくれてね。でも他は知らないんだ」
「今度ビデオを持ってくるよ」
こうしてMV集『刺激!』を見た私は、その過激なパフォーマンスと音楽性に魅了され、ヴィジュアル系やヘヴィメタルへ嗜好が傾倒していった。何より一筋縄でいかない曲展開が気に入った。入った部活の部長もファンで、「お前、あんな長い曲(「ROSE OF PAIN」)が好きなの?」と驚かれたっけ。きっと、プログレ嗜好の原点でもなったんだろう。
2. Slipknot
きっかけはX JAPANを知った数週間後、別のクラスメイトから降ってきた。彼のお姉ちゃんは洋楽リスナーで、EminemやMarilyn Mansonなんかも聴いていたようだ。そんな彼が
「今度、Slipknotってバンドがアルバムを出すんだけど凄くかっこいいから、今日のラジオ聴いてみてよ」
彼の言った番組にチャンネルを合わせると「Left Behind」が流れてきた。この時点ではピンとは来なかったけど、彼は8月末に出たアルバムを即座に貸してくれた。再生ボタンを押して1分後、「People = Shit」を聴いた瞬間の衝撃は凄かった。これは全く未知の音像と声だった。
これがあらゆる激烈音楽と洋楽の入り口だった。大学で軽音楽系のサークルに入った際に、洋楽リスナーばかりの先輩と仲良くなるのに一役買ってくれた存在でもある。
3. GLAY
上記の二バンドを聴いても、Xのバラード以外の遅い曲や流行りの音楽はからっきし聴けない状態が続いたが、これだけ音楽嗜好が変貌した自分に中学の友達たちは驚いていた。
「ならGLAYも聴けるのでは?」
「B'zも手元にあるがまずはGLAYだな」
「そしてカラオケに行こう」
こうして『DRIVE』を聴いた自分は、「彼女の"Modern..."」を起点に邦楽の守備範囲を広げていった。初めて行ったライヴもGLAYのEXPO。人付き合いの幅を柔軟に広げてくれたGLAYは友人のような存在。芸術的陶酔以外の目的で未だ聴き続けている唯一のバンドと言っていい。
4. Metallica
自分が好んで聴くバンドがヘヴィメタルに該当するのはSEX MACHINEGUNSを知って以来何となく分かってきたが、日本のスピード狂なメタルでは自分がハードコア嗜好なのか本格派なメタル嗜好なのか判然としなかった。
高校2年生になりいよいよ音楽開拓が自発的になって来た頃、学校帰りにレンタル店の試聴コーナーに張り付く習慣が出来ていた私は、この"いかにも"な名前のバンドを手に取った。
そして、背中に電撃が走った。
『Master of Puppets』『Ride the Lightning』を聴いて、スピードだけではなくリフに陶酔している自分をようやく見出せた。ブラックアルバムなどの遅い曲まで馴染んだことで、Metallicaはあらゆる洋楽への架け橋になったようだ。『Master of Puppets』の完全再現ライヴは未だに人生のハイライト。
5. Dream Theater
大学に入り、新歓BBQの帰り道に仲良くなったバンドの先輩が貸してくれたのが『Images and Words』だった。
「のっち、ドリムシ聴いた?どうだった?」
「気づいたら眠ってしまいました」
「テクニックがすごいんだってば!」
そもそも私はテクニック志向の人間ではなかったのだが、"巧い"プレイに魅力を感じるようになったのはDream Theaterがきっかけだった。知れば知るほど高度な知性と技巧が注ぎ込まれていることが分かり、益々好きになる。
テクニックのひけらかしは好きではないが、このバンドはあくまで表現の一環として使っているところがいい。曲構造が野心的なのも気に入った。
このような経緯を辿って好きになるバンドは自分の音楽人生で減りつつある。手元に音源が溢れていていたり、自分に時間がなかったり、情報が氾濫していたりするとこのプロセスは楽しくならないようだ。
総括
自分はnoteにおいて、未だに自己紹介を書いていないのだが、今回は半ば自己紹介をしている気分で書いてみた。
この後にも衝撃的な出会いは沢山あったし、それらが全てあったからこそ今がある。
No Music = No Life
気がつけば趣味人としてそんな生き方をして来たが、ロックとの出会いがなければ飽き性な自分の音楽人生はきっと萎んでいたに違いない。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?