#035【絵本】ジオジオのかんむり(+ジオジオのたんじょうび/ジオジオのぱんやさん)
今日もホッコリ絵本の世界へ📚
絵本を読んだ記録として、感想を書いています。
はじめに
noterさんのレビューで、読んでみたいと思った『ジオジオのかんむり』という絵本。図書館蔵書検索したら他にもジオジオの絵本があったので、まとめて読もうと借りてきました。
今日の絵本
『ジオジオのかんむり』
作・岸田衿子
絵・中谷千代子
発行所:福音館書店(1960年)
『ジオジオのたんじょうび』
『ジオジオのパンやさん』
作・岸田衿子
画・中谷千代子
発行所:あかね書房(1970年・1975年)
感じたこと
予約した絵本を受取ってはじめて、『ジオジオのかんむり』以外の二冊は幼年童話という読みものと判明。5才から7才(幼児から小学校低学年向き)の長めのお話絵本です。
そしてそのあとがきを読んで、ジオジオシリーズにはまだ前提作品があったことを知りました!!『らいおん物語』の時は若かったジオジオが、『〜のかんむり』では年老いたらいおんの王様として登場しています。しまったぁ若いジオジオも先に読みたかったなぁ(-_-;)
あとがきによると、絵本『〜のかんむり』の後に童話である『ジオジオのたんじょうび』→『ジオジオのパンやさん』がつくられます。
どの作品も絵を担当されたのが、画家の中谷千代子さん。
この2人は有名な絵本『かばくん』のコンビ。
(これはうちにもあった絵本。息子たちにはあんまり読み聞かせられなかったけど笑)
『〜のかんむり』では老ライオンですが、『〜のたんじょうび』では70才だからかまだお顔にハリがあったり笑、『〜のパンやさん』はもっと若さがあり二足歩行のパン屋経営!中谷さんの絵からも年月を感じ、まとめて読めたおかげで比較できる楽しみがありました^^
童話の方は、自分で読める子どもたちがまだ若いジオジオの楽しいストーリーを楽しめる一方で、『ジオジオのかんむり』は、私たち大人に共感と今後の想いを重ね合わせられる絵本でした。
若くて強い百獣の王も、白髪が生えてきたり目がよくみえなくなってきたり、若い頃に感じていた欲望も段々なくなっていく・・・人間も同じ。私も少しづつ老いを実感せざるを得ないお年頃(笑)
今までは簡単に出来ていた事が、上手に出来なかったり、時間がかかってしまう。すぐに覚えられたこともなかなか覚えられなったり、覚えていたことも時間が経つとあれ?どうだっけ?と記憶がゆらぐことに気づく。
でもそれは不安や焦りというよりむしろ自然であたりまえのことなんだろう、と近頃は感じていました。一歩も三歩も引いて若い世代の人や子どもたちのために場を明け渡すことがいいのだろうと感じます。
私なんかは都会の第一線でバリバリ働いているタイプとは程遠い人間ですが、例えば小さな会社でもサークル内やバイト仲間、家族間、どんな場面においても、年老いていく人にはそう言えると思うのです。
昔いちばん強くてみんなから怖れられた自分だからこそ役に立つこともあるのでは?と考えたジオジオの気持ちに共感し、そして自分にはこの先何ができるだろう?と考えさせられます。未来ある子どもたちのために。と偉そうにいうわりに私は何も貢献できずにいます(笑)
でも、何ができるだろう?ではなく、何もしないことも何かできることになるかもしれません。いいと思って教えたり手出しすることもただの老婆心、お節介に他なりません。
子育てと一緒で、必要な時だけ手を差し伸べられるよう見守ることも私たちに出来ることなのかなと思います。
ジオジオが見えにくくなった目を閉じて、小鳥たちの声を聴く場面は沁み入りました。
『与えることで与えられている』がまさに絵になったページ(*´ω`*)
自分だからこその出来ることもジオジオのように探すのではなく、自然でいて周りに喜ばれるようになっていたいです、なかなか難しいことですが(^^;)
ステキな絵本でした。