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#097【絵本】ごんぎつね

今日はしっとり絵本の世界へ📚
記録として感想を書いています。




今日の絵本

『ごんぎつね』

作/新美南吉 
絵/黒井 健 
発行所/偕成社(1986年)





この絵本のテーマは・・・

著者が絵本で伝えたいことや絵本に込めたメッセージ。
をいつも書いているのですが、今回は新美南吉の作品たちにどこか共通する、

【寂しさ・悲しさ】

といった心理描写を感じました。



私が感じた事

有名な絵本『ごんぎつね』
図書館で面置きされていて久しぶりに借りてきました。

絵を描かれたのは、黒井健氏。
どこかで聞いたお名前と思ったらコチラの本で知った方でした。

絵だったり、文だったりでまた違う作品で出会う作家さんに気づくのも絵本を読んでいて、楽しいところ。


黒井健・絵の『ごんぎつね』、ふんわり柔らかいタッチで物語をより一層美しく包んでいます。彼岸花の中、墓地へと続く白い着物の葬列の絵が印象的。



「おれと同じ一人ぼっちの兵十か。」
こちらの物置の後ろから見ていたごんは、そう思いました。

『ごんぎつね』より


自分のいたずらのせいで兵十の母親が死んでしまったと思い込む、ごん。せめてもの償いに兵十の家に盗んだ魚を届けて良い事をしたと思ったり、盗んだものては迷惑だと知ってからは山で取った栗を毎日こっそり届けたり、それが神様のしわざと思われるとやっぱりしゃくだったりするところなど人間のこどものようで、可愛らしい。

ごんも、ずっと一人ぼっちで寂しかったのでしょう。同じ境遇になった兵十に対して、償いよりも共感・憐み、また安心さえも感じているのではないかと感じました。


「ごん、お前おまいだったのか。いつも栗をくれたのは。」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。

『ごんぎつね』より

火縄銃で兵十にドンと撃たれた、ごん。
最後はどんな気持ちだったのでしょう。「これでいいんだ」と、そんな言葉が聞こえてきそうな気がします。

ちょっぴり悲しくて切ない心の物語。
そんな心の機微を巧みに表現される新美南吉は、やはり読み継がれる童話作家なのだなぁと思います^^


たくさん作品に触れられるこちらの童話集。字も大きくて読みやすく良かったです!
「おじいさんのランプ」「牛をつないだつばきの木」「二ひきのかえる」もスキ。


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