#085【絵本】くまとやまねこ
今日はしっとり絵本の世界へ📚
記録として感想を書いています。
今日の絵本
『くまとやまねこ』
湯本香樹実/ぶん
酒井駒子/絵
発行所/河出書房新社(2008年)
この絵本のテーマは・・・
著者が絵本で伝えたいことや絵本に込めたメッセージ。
私なりに感じたこの本のテーマは、
【大切な人の死】
【残された者の心の成長】
私が感じた事
もうすぐ最終回の月9ドラマ『海のはじまり』
ドラマ序盤から度々出てくる絵本『くまとやまねこ』
どんな内容なのか気になっていて図書館で借りてきました。
タイミングいいのか?悪いのか?借りてきた次の日に放送した第11話で、ママとの回想シーンでついに絵本の内容が明らかに(笑)
「ママね、もうすぐ死んじゃうの」
伝えたいことを言葉にするのは難しいから絵本の力を借りようと、死期を迎えたママが娘に贈る絵本です。
6歳の今は分からないかもしれないけれど、大きくなるまでに少しずつ何回も読んでねと。脱線しますが、子役の俳優さんの演技力が凄い!!
『よるくま』が有名な酒井駒子さんの素敵な絵です。
扉のタイトルの下にはことりが目を閉じて仰向けになった絵が・・・。物語が始まる前からもうすでに死が描かれているのが衝撃的です。
絵のことに疎い私は、またまた原画の画材の想像がつかずうまく伝えられないのがもどかしいのですが、本文の背景というか用紙がコンクリート打ちのような少し温かみのある灰色で、真ん中に穴が開いたような形でクレヨンとも何だか違うような気がしますが、モノクロの絵が描かれています。色は後の方になってから出てくるピンク色がポイントに使われているだけ。それだけで素敵な絵、表現力、凄いですね。
ネタバレになりますが、少しあらすじを。
仲良しのことりが死んでしまってなかなか現実を受け入れられないくま。
綺麗なお花を敷き詰めた手作りの木箱にことりを入れてどこに行くにも持って歩くのですが、心配する森のどうぶつたちからことりのことを忘れるよう進言されると、家にこもってしまいます。
ある天気の良い朝、久しぶりに家からでたくまはおかしな形の箱をもったやまねこと出会います。
悲しみを経験したことがある人でしか、本当に相手に寄り添えないのかもしれません。ことりがいないことを受け入れ思いを昇華できたくまは、新しい一歩を踏み出す事ができたようです^^
この絵本を読んで、以前読んだ絵本『わすれられないおくりもの』を思い出しました。
ドラマでママが娘に伝えたかったことだとも思いますが、死んでしまったらもうそこには居ないし、ずっと一緒には居られないけど、
一緒にいたことは、なかったことにはならない
寂しくなったら思い出してもいい。思い出はちゃんと残された人の心の中にある。でも忘れてもいいんだよ。あなたは目の前にいる人たちと、
今を生きていって欲しい
そんな大きな愛をこの絵本を通して伝えているんだと思いました。
(効果的に絵本をドラマに使う脚本家さん、すごい!)
さてドラマは次が最終回。
残された海ちゃんは誰と共に生きるのか?見どころです^^
酒井さんの『よるくま』もまた読みたい!