#076【絵本】よあけ
今日はしっとり絵本の世界へ📚
記録として感想を書いています。
今日の絵本
『よあけ』
作・画:ユリー・シュルヴィッツ
訳:瀬田貞二
発行所:福音館書店(1977年)
この絵本のテーマは・・・
著者が絵本で伝えたいことや絵本に込めたメッセージ。
私なりに感じたこの本のテーマは、
【夜明け前におこっていること】
【自然の美しさ】
私が感じた事
し~んと静まり返った夜明け前。
静寂からの明るさのコントラスト。
感動的な光。
気持ちが静まり、
そしてまた穏やかに心が満たされる、
そんな素敵な絵本でした。
深い緑色、くすんだ藍色、墨色。
月明りに見える湖や山は、
こんなにも美しい色なんでしょうか。
この絵本。最近色んなところで目に入り気になっていたんですが、先日読んだ『ちび竜』のあべ弘士さんのYouTubeで紹介されていて借りてきました。あべさんは絵本の面白さについて、夜明け前にボートを漕ぎ出すページのこの訳の部分を例にしてお話していました。
訳は有名な瀬田貞二さん。
ウィキさんによると、
みおとは、水の緒。
船の通ったあとにできる跡のことです。
あえてこの美しい単語を使ったところ。
子どもに分かりやすい言葉ではなく、
わからないだろう言葉をそのまま使ったところ。
わからないから、調べて分かった時の感動がある。
言葉を知らなくても、絵で見て理解できる所がある。
絵本にはそういった懐の大きさと面白さがあると
いうようなことを話されていました。
原作のユリ・シュルヴィッツさんの作品は、
戦争でご自身が経験されたことを描かれた『おとうさんのちず』という絵本を読んだことがあり、
その時もタイトルの日本語訳に感心しました。
辛い体験のお話なのに、お父さんの前向きさに光を感じた絵本です。
今回の絵本のモチーフは、
唐の時代の柳宗元の漢詩『漁翁』によるものだそうで、
こちらも淡々と生きる老漁師の前向きさを、
この絵本に映して描かれているのかなと感じました。
夜明けといえば、
「明けない夜はない」というフレーズが浮かんできますが、
それよりも、もっと日常的で自然体で、
「忘れていたそこにある奇跡」という言葉が思い浮かびました。
自然に感謝し穏やかな気持ちになる1冊。
あべさんが描かれた絵本も見つけました!
(2021年出版)
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