【物語】ハーメルンの笛吹男”ワンドのガイド”
私の好きなインナーチャイルドカードは【おとぎ話のタロット】とも言われている、物語をベースにしたカードです。
昔読んだことのある懐かしい童話や、意外と知らなかった物語もあったりして、カードへの理解も深まるかと、それにまつわる物語を読んで感想を記録しています(^^)/ちょっと回りくどくて長いので、ご興味があればお読みください。
今日のカード
タロットカードでは、ワンドのナイトに相当するカード。
インナーチャイルドカードでは、グリム童話ハーメルンの笛吹男と紐づいています。
読んだ物語は?
絵本『ハーメルンの笛吹き男』
グリム兄弟『ドイツ伝説集』より
絵/リスベート・ツヴェルガー
文/レナーテ・レッケ
訳/池田香代子
発行所:BL出版(2010年)
『ハーメルンの笛吹き男』
ー伝説とその世界ー
著:阿部 謹也
発行所:平凡社(1974年)
読んで感じたこと
子供の頃、世界の童話集で読んだ『ハーメルンの笛吹き』。今回絵本を読んで、実はこんなに謎めいた伝説だったのかと初めて知りました。
またあとがきには、知った世界の童話とはまったく違った”労働力”として連れていかれたという現実的な解釈も、ペストが町に発生したことを隠していたことから亡くなった130人の子どもが旅立ったとしていたという解釈もあることが書かれてあり、「伝説とは、答えのない謎とさまざまな材料の寄せ集めです。」と記されていました。ビックリ!
タイトルで予約して借りた本は、その伝説について書かれた書籍なので、かなり専門的で凄い情報量(かなり古くてちょっとカビ臭さも感じたりする(*_*;)。
拾い読みしてその伝説を探ってみることに・・・こちらでも冒頭から同じような事が書かれてあります。
史実は2つ、
1284年6月26日、ハーメルンの町で130人の子供の失踪
ねずみが大量発生、遍歴楽師が町に現れ高い報酬で笛を吹いて駆除
それぞれの歴史的事実に様々な理由や解釈があるようですが、どうやらこの2つ<笛吹き男伝説>と<ねずみ捕り男伝説>が結びついたのがこの物語らしいです。
放浪芸人が笛を吹くネズミ駆除の仕事は少なからずあったようで、その評価の低さと偏見や差別から起こった裏切りと、謎の失踪事件は社会的背景が基になっています。
どちらも<笛吹き男>という存在が二つの史実を結合させ、自然的人為的災害に苦しむ庶民が、口伝で語り継がれるうちにファンタジー化してしまったということなのだろうかと、感じました。
物語とカードの関係(私の考察含む)
絵本では、町に残った子どもの記述で、目が見えない子と口のきけない子の部分はありますが、文献による上衣を取りに戻った少年の話はありませんでした。
そしてインナーチャイルドカードの解説書では、この少年は足の悪い少年となっています。その象徴として、【インスピレーションの源泉に触れその実在に気づいたもののそのパワーを現実化できない人間的な要素】としています。
ん?どういうこと??
足が悪いのでみんなと一緒のペースで歩けなかったからってこと?
=シャツを取りに帰ったのでみんなから出遅れた(伝説の解釈)
ピピっと来ているにも関わらず、疑いや固定概念によって動けない(=現実化しない)大人てことなんですかね。
ここで、この少年からインスピレーションに気づく必要性をこのカードのメッセージとして盛り込んでいるように思います。
絵本でも、もちろん謎が解明されないまま幕は閉じられていますが、インナーチャイルドカードの日本語版解説書では、後々町に現れたジプシーの一団が行方不明になった子どもたちではないかと書かれています。
またまた新たなファンタジー出現(笑)
「笛吹き=インスピレーションの源泉」だよ!!
と繰り返し伝えているのでしょうか。
でもそのインスピレーションって、
催眠の笛を吹く「まだら男」の笛の音ではない!!
自分の内側から聞こえる優しい音なのですね。
(間違えてついて行ってしまってはいけない~"(-""-)")
文献にも書いてあったように、土地を持たず村から村、町から町へと渡り歩いて暮らしをたてるしかなかった遍歴楽師たちの社会的立場は低く、理不尽なこともあったことでしょう。でも、即興で歌を作り演奏しその芸を代償として報酬を得ていた楽師たちは、庶民の慰めや楽しみを与えていただろうと思います。
このカードは、芸術的才能や価値を軽く見ず、インスピレーションと共に開花させることを伝えてくれているようにも思いました。