2,奈良市学習塾のバイト同僚女性の飲み物に唾液や尿を混入した事件の裁判傍聴記録(2024年9月25日)ーその2

 この記事は上の記事の続きとなっています。


被告人質問

 被告人質問も検察のターンと弁護士のターンでまとめています。
 被告人も証人である母親と同じく終始涙ぐむ様子でところどころ言葉に詰まりながら質問に答えていました。

弁護士からの質問

Q. 被告人のスマホにあった体液を女性に飲ませる動画(おそらくアダルトビデオや体液混入界隈で流れてきたもの)がありましたがこれについて何かありますか?
A. 動画はネットからスマホにダウンロードしたものです。女性が何も知らずに口に含んでいる様子に興奮しました。(最初はネットでそのような動画を見るだけだったが)昨年12月ごろから実行に移すようになりました。

Q. 当時の被告人の認知についてどうですか?
A. 相手を人として思わず、道具のように扱っていました。

Q. 被害者は本件について器物破損ではなく、性犯罪だと述べていますが、これについては?
A. 自身の行為は望まないことを強要した点で不同意性交罪に近いものだと思います。

Q. 犯行が15件もあることについてはどうですか?
A. 自身の行動に歯止めがきかなかったのだと思います。

Q. なぜ歯止めがきかなかったのですか?
A. やってはいけないという倫理観や自制心が不足し、自分の欲求を止めることができませんでした。ネットにあった動画を見て実行に移してしまいました。

Q. 当時を振り返ってどう思いますか?
A. なぜ自分のすることで被害者やその家族、自身の親に対し多大な迷惑をかけることが想像できなかったのか、と思います。

Q. 被害内容についてどう思いますか?
A. 想像を超える怖さがあったと思います。(自身の犯行は)尊厳を踏みにじる行為でした。被害者の中には被害を知った後も体調を崩した人がいることを知りました。また、被害品(の水筒)のうち1つは被害者が親戚からもらった大切なものであったことを知り、申し訳なく思いました。

Q. 仮に自分や自分の近しい人が同じような被害にあったらどう思いますか?
A. 自分がそのような被害にあったら被害を受け入れられず、パニックになってしまうと思います。また、近しい人が被害にあっても受け止めることはできないと思います。

Q. ストレスが溜まってパニックになったことがあるのですか?
A. あります。

Q. 被害者は「なぜ私が」と言っています。これについてどう思いますか?
A. 自分の衝動、欲求を満たすためにやった身勝手な犯行であり、申し訳ないです。

Q. 個人情報の流出について被害者は危惧しています。撮影した犯行動画はどうなりましたか?
A. 犯行動画は警察官に消去してもらいました。使っていたスマホはすべて弁護士立会いの下でデータを消去しました。

Q.父親とのストレスが原因としていますが、これに被害者は納得できると思いますか?
A. 納得できないと思います。他人への支配欲はどんな理由でも認められるものではないと思います。

Q. 被害者は「女性の尊厳を踏みにじるもの」と言っています。これについてどうおもいますか?
A. 自分もそう思います。身体的・精神的に大きく傷つけるものでした。

Q. 今後どうやったら歯止めがきくようになると思いますか?
A. 母も言っていた通り、SOMEC(ソメック)での治療を行っていきたいです。

Q. 治療の内容は?
A. 8月に初回面談があり、9月にアセスメントしてもらいました。

Q. アセスメントの結果は?
A. 自分は一般男性よりもストレスを感じやすいことがわかりました。

Q. 性加害に関するアセスメントは?
A. 女性に対して、犯行の程度を矮小化する程度が一般男性よりも大きいことがわかりました。

Q. 今後の治療プログラムはどのようなものですか?
A. SOMEC(ソメック)のアセスメント結果に基づき、1年以上の認知行動療法を受けます。

検察からの質問

Q. 支配欲・性的欲求を満たすために何かできなかったんですか?
A. 両親とともにストレスや悩みについて自主的に解消していたら、このような犯行にはならなかったと思います。

Q. 当時、合法的な手段で支配欲・性的欲求を満たすことはできなかったんですか?
A. できませんでした。犯行に及んでいた当時は犯行の影響について想像できませんでした。

Q. 今後は想像できますか?
A. できます。

Q. それはなぜですか?
A. 今回の件で被害者、その家族がどのような思いをしたのかを知り、自分の家族にもどんな迷惑をかけたかを知ったからです。

Q. 被害者の心情や生活について想像はつきますか?
A. つきます。

Q. 被害者の中には被告人に立ち直りを求める人もいます。これについてどう思いますか?
A. 今回の犯行は一生許せないことであり、一生の心の傷となったことに申し訳なく思います。それでも自分に立ち直りを求めてくださる被害者には頭が上がらないです。

おわりに

 ここまで読んでいただきありがとうございます!
 以上の手続きで初公判は終了しました。次回は11月13日10時からの裁判が予定されています。傍聴後に次回も来られるか尋ねてくださった方もいらっしゃったので私は積極的に膨張したいと思います。
 被告人の言葉にあったSOMEC(ソメック)のHPを掲載しておきます。
 


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