ウイング. センターフォワードからのサッカーの見え方
サッカーを普段やらない人でも
基本 観戦することが趣味の人も
サッカーってポジションごとに
どんな景色が見えているんだろう?
と考えたことがあるかもしれない
サッカーはプレイヤー全員が
立つ位置 プレーする場所によって
やることが全く違ってくる
他のスポーツは同じ明確なスキルの要求がされるがサッカーは結局何の能力が必要なのかというとそれに答えがない
一つの同じポジションでも
いろんなタイプの選手がおり
どんな能力に特筆していようが
それがその人の武器になる
ピッチは105×68mと広いコートで
人が11人も入るため役割や戦術が細分化されて
昔と比べて各ポジション
高いレベルの追求がされてきた
各局面で起きる駆け引き
それには何の面白さがあるのか
子どもが自分のやりたいポジションを
探すときにどんな魅力に惹かれて
そのポジションを見つけるのか
今回はウイング. センターフォワードの
ポジションがサッカーにおいて持つ役割
ピッチレベルから体感した視点をつづる
まずウイングについて
ウイングはサッカーの花形ポジションだろう
自分もいろんなポジションを前も後ろも
経験したが結局このポジションに行き着いた
それはウイングが1番サッカーにおいて
自由を与えられた場所であるからだと思う
日本代表のMFも経験した
遠藤保仁選手や中村憲剛選手が昔言っていたが
「自分たちは基本 無駄なことはせずに
ボールはすぐに離すことを意識している
ゲームのリズムを作ることが
自分たちの役割で無駄なことを
して良いのは前やウイングの選手だけ」
このように自分のやりたいことを
エゴを出して発揮できるのはウイング
だけだと考える
例えばウイング以外のポジションを
レベルが高く、相手と自分チームが
お互いせめぎあった環境で
プレーしてみると、ある程度
自分のプレーが制約される感覚がある
ボールがきてドリブルしたいなと思っても
すぐそこに相手がきていて2タッチくらいで
ボールをはたかなければゲームスピードに
ついていけない感覚だ
ボールの流れ ゲームの流れが存在し
前を向いてもすぐに進みたいところを相手が
埋めて進行を防いでくるため簡単に繋ぐ方が
効率が良いとどのポジションもそう教えられる
では何が具体的にできるのかというと
何をしても良いポジションになる
ボールを持つ位置は前線のサイドになって
タッチライン沿いにボールを受けるため
タッチライン側の180度は何も気にしなくて良い
中盤の選手であると360度どの角度からも
相手を見ないといけないが
ウイングはタッチラインを背にして
安心してボールを受けられる
そこからの駆け引きは大きく2つ
それは縦に行くか中に行くかだ
よく縦に抜くのが三笘選手
中に切り込むのが久保選手のイメージがある
従来のサッカーは伊東選手のような
右利き右サイドの選手が縦に
スピードで抜いて何度もクロスを
供給するのが主流であった
しかし縦の使い方は
縦と中の2つの使い分けによって
効果的に縦を見せて脅威を与える
または抜き切らずにかわすだけで
ふわっとしたクロスをあげる
そんな使い方をする選手が多い印象がある
それに対して中へ切り込む
カットインドリブルは多くの選択肢を持つ
それだけで視野が大きく開けて
斜め45度からのシュートや対角へのラストパス
などチームの攻撃の大きな武器にもなる
バロンドールをとれるくらい有名な選手も
ウイングが主戦場のスーパープレーヤーが多い
スピードがあるなしは気にしなくて良い
ウイングは夢があって自由を表現できる
ポジションだろう
次にセンターフォワードについて
9番のポジションいわゆるストライカーが担う
プロでは1番結果を求められる場所である
日本代表の選手でも様々な
オプションの選手がいる
フィジカルが強くおさめられる上田選手
裏への抜け出しが上手い古橋選手
圧倒的なスピードを持つ前田選手
大舞台での一発を持つ浅野選手など
みんな尖った武器を必ず要している
しかし一番必要なのは
最後のフィニッシュでの決定力である
この点をとる能力に関しては何よりも
生まれ持った才能が必要なのかもしれない
一瞬のうちのチャンスが訪れたとき
自分がどれだけゴールまでの道筋を明確
に描けるか またそれをどれだけ思うままに
実現する力があるか が問われる
ペナルティーエリア付近でボールを受けたとき
より少ないタッチでシュートコースを
見いだしシュートまで持っていけることが
理想である
トップレベルの選手でも簡単なシュートを
外すようにゴール前での緊張感は
並大抵のものではない
迷いのない推進力を待ち合わせながら
難しいボールをコントロールする繊細さが
鍵になる
またフィニッシュでの決定力と同時に
プレーの大半の仕事となるのがポストプレー
である
センターフォワードは1番前に位置する
ポジションでありながら
試合中はほとんど後ろ向きの状態である
そしてボールを触れる機会も
一番少ないといっていい
しかしこのセンターフォワードの
ポストプレーが機能するかしないかで
ビルドアップでボールを前に運べるか
サイドからの攻撃を有効に使えるかが
大きく変わる
相手が1番侵入されたくない深いところで
ボールを受けるためおさめるのは難しい
小さい頃にはほとんど練習しない
後ろ向きで逃げるプレイが大事になる
相手の矢印と同じく真っ直ぐにボールを
離すのではなくワントラップ目で確実に逆を
とって左右斜めに下りるようにボールを置く
そこからボディフェイクやターンの素振りで
逃げながらも相手を揺さぶり
ボールを展開することが必要だ
敵からのプレスの強度は非常に高い
おさめることは当たり前のことではない
だからこそボールをつなげたときの
快感が込み上げてくる
センターフォワードが仕事をするかしないかで
チームの勝利が左右される
ただその分見返りでゴールが決まったときは
吠えるくらい感情を動かせられるポジションだ
今回はセンターフォワードとウイングについて
ピッチレベルで体感した視点をつづった
自分がどのポジションが合っているか
探すとき1度上手くいかないだけで
悪い偏見を持ち可能性を
捨ててしまっているかもしれない
好みだけでポジションを先に決めてから
ずっとその位置に固執するのではなく
それぞれのポジションに必要な
練習を分けて取り組み
そこで自分の得意に気付く体験が重要だと思う
サッカーは止まっている時間が
ほとんどなく、試合時間が長い
プレー中は常に駆け引きが起きている
サッカーは騙すスポーツと言われるように
どのポジションでも相手の逆をとることを
しないとボールは足元からすぐ消える
ポジションの概念はピッチに立つ配置が違う
だけで駆け引きのコンセプトは変わらない
ボールを受けるとき
タッチラインを背にしているのか
相手を背負っているのか
そこからどの方向に進むのか
その方向に進むためにはどちらに逆を突く
必要があるのか
ならばそれには何が必要か
反復を繰り返し自分だけの武器・型を
磨くことでそれが通用したとき
サッカーで見える景色が変わると思う