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第1巻がめっちゃ面白いと思う漫画 ワールドトリガー
第1巻が面白い漫画って何がありますか?
この漫画を読もう!ってなるとき
読み始めるときに
まずは1巻から読むのは当然である
そこで皆さんはどんな基準で
その漫画を読み続けてみようとなりますか?
私は1巻で作品に取り込まれたら
どんどん読み進めるし
1巻が面白いとそのまま直結して
この漫画は面白いとなる
逆に試し読みでもなんでも
1巻を読んで面白くないとそれだけで
その漫画とはお別れになる
1巻ってすごく重要でその1回だけで
漫画の核たる土台を描かないといけないし
それはその後からずっと一貫して
描き続けるものになる
しかし1巻だけで中々その漫画の持つ
メッセージや作品性を伝えるのは難しい
漫画の1巻目というと
まず世界観やキャラクターの導入が必須になる
その世界で主人公はどこにいるのか?
何かに属しているのか?
他にキャラや敵がいるのか?
たくさんの情報を描く必要があり
その紹介だけで終わってしまう
大体、困ったことやトラブルが起きて
そこに主人公が巡り合わせて登場し
それを解決するという絵が浮かぶ人が多いと思う
今回は
「この漫画の1巻めっちゃ面白い」と思った
読めば絶対にハマるワールドトリガーの1巻
についてつづってみる
ワールドトリガーの第1巻は
「三門市 人口28万人
ある日この街に異世界への門(ゲート)が開いた」
という言葉から始まる
敵にあたる近界民(ネイバー)が
侵略してくるのだが、そこでボーダーという
市民を守る組織が紹介される
そこから場面はとび中学校で三雲修のもとに
転校生(空閑遊真:ネイバー)が転校してくる
ところから始まり2人を中心に物語が進んでいく
なぜワールドトリガーが1巻だけで
そこまで面白いと思ったかというと
他の漫画の1巻と違って
まだ1巻目なのに考えさせられる場面が多い
からである
いくつかそんな場面が出てくるが特に
学校内に門(ゲート)が発生しネイバーが
生徒を襲ったときにまだボーダーの訓練生の修が生徒を助けるためにトリガーを使った
場面が印象的だ
結果的に修の力では足りず
一緒にいた遊真のおかげで助けられたのだが
訓練生の修は基地の外でトリガーを使うことは
許されていなかったため
隊務規定違反で処罰の対象ということになる
しかし本部の隊員を待っていたら
確実に何人かは死んでいた状況であって
修はルール違反で戦っても怒られるのを
わかった上で、それでもやっぱり助けにいった
ここでは2つの意見が対立する
1つは修は結果的に生徒の命を救ったが
修を許してしまうと他の訓練生も同じように
違反をして、実力不足の隊員が現場に出て
深刻なトラブルを招くことにつながる
という意見である
もう1つは修側の意見で
目の前で人が襲われていたら
たとえルール違反であっても助けに行く
という意見である
皆さんはどちらが正しいと思いますか?
私たちの社会でも法律やルールが
定められていて守ることは当然とされている
しかし時折りそれを破らないと
どうにもならない問題が起きることがある
そこで全てを正しいとされるルールに
従って動くのか、そのルールに反していようと
自分の倫理を貫くのか、
「自分ならどうするだろうか」と思わせる
読者の心が行き詰まるような問いかけが
いくつもメッセージとして残されている
もしその選択をとったらどうなるのか
その後に及ぶ自分の利益や不利に
つながる要因を天秤にかけ人は判断していく
この漫画では他にも
修が数多くの場面で選択を迫られることになる
自分ならどうするかを読者は自由に考えられ
修はどうしたのかでストーリーは進んでいく
そこではどれが正解か
答えが示されることはなく
そのストーリーが正しく進んで
いるかもわからない
答えはどこにもない
けれど1つ 選択が迫った場面で間違いなく
作者が強く伝えようとしているメッセージが
存在する
それは
「僕がそうするべきだと思ってるからだ」
や
「それを決めるのは私ではないユーマ自身だ」
という言葉
である
それぞれ修と遊真によく使われる言葉だ
なぜそうするのか それを説明できていないのに
これらの言葉には強い働きかけがある
迷いを断つような勇気をくれるこれらの言葉は
どんなときもたとえ苦境に立たされようと
背中を押してくれる
このワールドトリガーは
遅効性SFとも呼ばれ
SFアクション漫画に分類される
もちろん1巻以降も個性的なキャラが多く登場し
面白い展開がずっと続く作品である
主要人物 迅悠一のサイドエフェクト(ワールド
トリガーにおける人間が稀に持つ特殊能力)が
物語を面白くさせたり
バトル漫画では珍しい集団戦の戦いに
戦略性があり面白かったりする
先ほどの生徒を助けるために
トリガーを使った修の判断が
実は後にネイバーからの大侵攻にも
関係してくる
読んだことがない人は
読めば続きを読まない手はないと
いえるくらい絶対にハマる漫画だ
漫画の1巻はどうしてもインパクトを
残したいが故に展開が大雑把になったり
たくさんの情報を描いてしまい
読者が心地良く読めなかったりする
しかしワールドトリガーの1巻目は
読みやすいだけでなく
人間性に響くようなメッセージが
書き留められている
私はどの漫画にも表のテーマと
裏のテーマが存在していると考える
表のテーマが主人公の夢や
1番になるといった目的なのに対して
本当はその裏に作品を通じて作者が伝えたい
メッセージが隠されている
ワールドトリガーはそんな裏のテーマにある
メッセージを強く表現していて
唯一無二の作品の色が表れている
1巻を読むだけでそれが分かる漫画に
なっているだろう